トヨタ自動車、ケンタッキー州などで10億ドルの追加投資を発表
(米国、日本)
ニューヨーク発
2026年03月25日
トヨタ自動車は3月23日、ケンタッキー州、およびインディアナ州の生産拠点に総額10億ドルを投資すると発表
した。2025年11月に公表した今後5年間で最大100億ドルを米国内工場に投資する計画の一環で、顧客需要の拡大への対応と多様な車種ラインアップの提供を目的とする(2025年11月18日記事、2025年11月19日記事参照)。
ケンタッキー工場に8億ドル、インディアナ工場に2億ドルを投資する。ケンタッキー工場では、同社2車種目となるバッテリー式電気自動車(BEV、注1)生産に備えるほか、乗用車「カムリ」およびスポーツ用多目的車(SUV)「RAV4」の組み立て能力を拡大する(注2)。またインディアナ工場では、主力SUV「グランドハイランダー」の生産能力を増強する。同車は同工場の東工場でミニバン「シエナ」とともに組み立てられ、西工場では「レクサスTX」と並行して生産を継続する。トランプ政権発足以降、電気自動車(EV)など自動車を取り巻く政策環境の不確実性が高まる中、同社は引き続きガソリン車、ハイブリッド車(HEV)、BEVなど複数の動力でのバランスを見据えた全方位戦略を継続する。
また同社は「販売する場所で生産し、生産する場所で調達する」との理念のもと米国で長期投資を継続してきたとし、約70年にわたり設計、エンジニアリング、組み立てにおいて3,500万台超の乗用車・トラックを米国顧客向けに供給しており、今回の投資で国内生産体制をより強化する姿勢を示した。
さらに、ケンタッキー拠点では地域社会や人材育成への取り組み(注3)も行っている。州の投資情報サイト「新たなケンタッキーの拠点(New Kentucky Home)
」では、今回の投資と合わせてトヨタが同州内のスコット郡およびフェイエット郡の学校およびイースタン・ケンタッキー大学に440万ドルの寄付を行ったことも紹介された。前者は、トヨタが2022年に立ち上げたSTEM教育プログラム「ドライビング・ポシビリティーズ(Driving Possibilities)
」の一環で、同プログラムへの累計投資額は1,100万ドル超となる。後者は、製造工学プログラムの支援として次世代人材の育成を後押しする。
ケンタッキー州のアンディ・ベシア知事(民主党)は、「40年前、トヨタが(工場所在地の)ジョージタウンを新たな拠点として選んだことで、同州はより良い方向へと変革を遂げた」と述べ、同社がもたらした恩恵に感謝するとともに、強固なパートナーシップの継続に期待を示した。
(注1)2022年から、BEVのSUV「Bz4X」を販売している。
(注2)同工場では「カムリ」および「RAV4」のHEVを生産している。
(注3)2026年3月13日にジェトロが、ケンタッキー日米協会、人材関連企業と同州レキシントン市で開催したセミナー「変化するビジネス環境:日系企業の課題と対応」において、トランプ政権下で強化された追加関税を含む政策変更への対応に加え、雇用、人材育成の問題は依然多くの企業にとって最大の課題であることが再確認された。
(大原典子)
(米国、日本)
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