ドイツも石油備蓄を放出へ、ガソリン価格改定ルールも導入

(ドイツ)

ベルリン発

2026年03月18日

国際エネルギー機関(IEA)は3月11日、32加盟国が石油備蓄放出で合意したと発表した(2026年3月12日記事参照)。これを受け、ドイツ政府も同日、石油備蓄を放出する意向を表明した。

カテリナ・ライヒェ経済・エネルギー相は同日に臨んだ記者会見で、石油供給を巡る状況は逼迫しており、IEAのパートナー諸国、特に日本や韓国で影響が見られる中、IEAが加盟国に対し4億バレル(約5,400万トン)の石油備蓄放出を要請したと説明した。「私たちはこの要請に応え、その一翼を担うつもりだ。なぜなら、ドイツはIEAの最も重要な原則である相互連帯を支持しているからだ」と述べた。

石油備蓄の放出は、官報掲載の翌日から可能となり、全体として数日かかる見込みとした。ドイツは約90日分の石油備蓄として、原油および石油製品を合計で約1,900万トンを備えており、そのうち260万トンを放出する予定だ。IEAは、加盟国に自国の石油純輸入量の90日分の備蓄を義務付けている。

ガソリンスタンドの値上げは1日1回に制限

また同相は、ガソリンスタンド事業者が今後、燃料価格を1日1回のみ値上げできるようにすると発表した。ドイツ国内では、中東情勢悪化によりガソリン価格が急騰(2026年3月13日記事参照)。同相は、原油価格上昇に伴い燃料価格はロケットのように急騰するが、価格が下落する際には羽のようにゆっくりとしか下がらない「ロケットと羽」現象を打破すべく、本制度を導入するとした。本制度の導入には独占禁止法の改正が必要で、可能な限り迅速に導入したいと述べた。オーストリアで導入されているモデルを参考にしており、価格引き下げはいつでも可能となっている。

本制度の実施期間について、シュテファニー・フビッヒ司法・消費者保護相は、政治専門誌「ポリティコ」(3月13日)の取材に対し、現在の危機的状況下では必要であり、少なくとも1年間は継続する想定とコメント。必要がなくなれば、それより早く規制を解除することは可能との認識を示した。ドイツでは2011年から本制度の議論を続けており、今が実行するタイミングと語るとともに、長期的な導入にも賛成の姿勢を明らかにした。

ガソリンスタンドの3つの業界団体は、価格形成に対する政治的介入に懸念を示す共同声明を公表外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますした(ドイツ語)。ガソリンスタンドでの価格形成は、市場経済のメカニズムに従っているとし、燃料価格の半分以上を租税公課が占めていると指摘。燃料価格を持続的に引き下げたいのであれば、競争への介入ではなく、政府による価格構成要素について議論すべきと批判した。

(中山裕貴)

(ドイツ)

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