中東情勢の悪化でドイツ国内燃料価格が急騰、ガソリン1リットル当たり2ユーロ超に
(ドイツ、イラン)
ベルリン発
2026年03月13日
中東情勢の悪化やホルムズ海峡通航停止状態の影響(2026年3月4日記事参照)で、ドイツ国内の燃料価格が急騰している。ドイツ自動車連盟(ADAC)が公表している全国平均小売価格(添付資料図参照)によると、ドイツの一般的なガソリンであるSuper E10(注)が、2月までは週平均1.7ユーロ台だったところ、3月3日には1.897ユーロに高騰。さらにADACは、3月9日午後の全国平均価格がSuper E10で2.056ユーロに、ディーゼルは2.202ユーロと、いずれも2ユーロを突破したと発表
した。
3月8日朝のベルリン市内のガソリンスタンド(ジェトロ撮影)
カテリナ・ライヒェ連邦経済・エネルギー相はメディアの取材に対し、ガソリンスタンドでの価格急騰を受け、独占禁止法に基づく調査を行うことを公表した。また、中東情勢の悪化を受け、エネルギー価格タスクフォースを設置し、市場の動きを注視し対応策を準備するという。また、連立与党であるキリスト教民主・社会同盟(CDU/CSU)と社会民主党(SPD)も、イラン紛争が経済とエネルギー価格に与える影響を監視するためのタスクフォースの設置に合意し、3月6日に初会合を開いた。
1バレル150ドルで、最大800億ユーロの損失試算も
ケルン経済研究所(IW)は3月5日、中東情勢悪化による原油価格上昇がドイツ経済に与える影響を発表した(プレスリリース
、ドイツ語)。原油価格が1バレル100ドルとなった場合、ドイツのGDPは2026年に0.3%減少、2027年に0.6%減少し、2年間で約400億ユーロの経済的損失が発生すると分析。原油価格が1バレル150ドルとなった場合は、GDPは2026年に0.5%減少、2027年に1.3%減少し、800億ユーロ以上の損失が出るとした。また、インフレも加速し、1バレル100ドルの場合、消費者物価は2026年に約0.8%上昇、2027年に1.0%上昇すると分析している。
さらに、ドイツとイランは貿易の相互依存度は比較的低いものの、エネルギー価格上昇に加え、グローバルサプライチェーンの混乱、世界経済の分断など間接的なリスクが存在すると指摘。1970年代の石油危機のような大規模な混乱は現時点では予想されていないが、輸出志向のドイツ経済の競争力に深刻な打撃を与え、その影響の度合いは紛争の拡大の程度と期間、そしてホルムズ海峡を経由する原油の輸送経路への影響によって決まるとした。
(注)バイオエタノールを10%混合したガソリン。
(中山裕貴)
(ドイツ、イラン)
ビジネス短信 6b21cf8987700113






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