カナダのカーニー首相が来日、日加関係を包括的戦略的パートナーシップに格上げ
(カナダ、日本、インド、オーストラリア)
調査部米州課
2026年03月10日
カナダのマーク・カーニー首相は3月6日、日本の高市早苗首相と会談し、「日本・カナダ包括的戦略的パートナーシップ」創設に関する共同声明(カナダ
、日本
)を発表した。カーニー首相の訪日は同氏が2025年3月に首相に就任して以来初となる(注)。
両国は「日加関係を強化することは、危険と不確実性の高まる世界において、両国民の安全、安定、繁栄に大きな機会をもたらす」として、同パートナーシップの締結が両国の協力を強化し、関係の深みと機会を拡大させるとした。
両国は同パートナーシップを通じ、首脳や大臣間の定期的な相互訪問を含むあらゆるレベルでの交流を強化する。さらに、同パートナーシップを実践的に生かすため、「日本・カナダ包括的戦略的ロードマップ」を策定し、今後の協力の具体的な方向性として(1)安全保障・防衛協力の強化、(2)経済安全保障、サプライチェーンおよび技術的強靭(きょうじん)性、(3)貿易・投資、(4)エネルギー安全保障および食料安全保障、(5)北極、環境、気候変動協力、(6)人的交流、学術・文化交流、の6点を発表した。
そのほか、両国は、強固な貿易関係をさらに発展・拡大するために、在カナダ日系自動車メーカーの脱炭素化推進を支援する取り組みを強化し、複数の経路を通じて支援すること、バッテリーサプライチェーンや産業科学技術を含む既存の協力覚書(MoC)を活用し(2023年9月22日記事参照)、両国の経済的利益を促進することなどを発表した。
また、両国は人工知能(AI)、製造、研究開発(R&D)の責任ある開発において信頼できるパートナーであるとして、半導体、AI、サイバーセキュリティー、バッテリー、水素燃料電池、クリーン技術、量子技術、核融合など、経済競争力の中心となる戦略分野におけるパートナーシップの機会を増やすとした。
日本とカナダは2028年に国交樹立から100周年の節目を迎える。同年に向けて、両国間の強い協力が期待される。
(注)今回の来日は、カーニー首相の太平洋地域の主要国歴訪の一環。日本のほかインド、オーストラリアにも訪問しており、インドとは包括的経済連携協定(CEPA)の2026年内の締結を目指すことで合意したほか(2026年3月9日記事参照)、複数分野でのパートナーシップ締結を発表
した。オーストラリアとは、同国を重要鉱物生産同盟に歓迎したほか、クリーン・エネルギー・パートナーシップの創設、両国間の租税条約の近代化などを発表
した。
(谷本皓哉)
(カナダ、日本、インド、オーストラリア)
ビジネス短信 298c7189f50f5e74






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