中東外交では在留邦人・日本企業の安全確保が重要との結果、2月中旬の外交世論調査

(日本、中東、アフリカ)

調査部中東アフリカ課

2026年03月09日

外務省は3月6日、2月中旬に実施した「外交に関する国内世論調査外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます」の結果を発表した。同調査は2月10日から18日にかけて、無作為抽出した47都道府県の18歳以上の男女1,000人に電話で調査を行った。

発表によると、中東外交においては、「在留邦人・日本企業の安全確保」が最も関与を推進すべきとの結果だった。「域外関係国との協力も含めた緊張緩和」と「航行の安全確保を含むエネルギー安全保障」との回答も多かった。また、アフリカ開発会議(TICAD)を含む対アフリカ外交においては、「日本企業のビジネス・投資促進などを含む経済分野での協力」に注力するべきとの結果になったという。結果概要については次のとおり。

〇対中東外交(関与を推進すべき点)(複数回答可)

  • 1位:在留邦人・日本企業の安全確保(51.1%)
  • 2位:域外関係国との協力も含めた緊張緩和(41.1%)
  • 2位:航行の安全確保を含むエネルギー安全保障(41.1%)
  • 3位:難民支援を含む人道支援や復旧・復興支援(36.4%)

〇TICADを含む対アフリカ外交(注力すべき点)(複数回答可)

  • 1位:日本企業のビジネス・投資促進などを含む経済分野での協力(51.3%)
  • 2位:貧困、災害、感染症などの地域の社会課題の解決(49.7%)
  • 3位:紛争、テロ、人道危機などの地域の平和と安定の確保(38.4%)

また、国連外交や政府開発援助(ODA)に関する質問への回答結果については次のとおり。

〇国連外交(力を入れるべき点)(複数回答可)

  • 1位:平和と安全に関連する取組(対北朝鮮制裁や国連平和維持活動への参加を含む)(46.2%)
  • 2位:国連改革に向けた取組(安保理改革を含む)(40.4%)
  • 3位:核兵器の廃絶に向けた取組(38.4%)

〇政府開発援助(どのようなメリットがあるか)(複数回答可)

  • 1位:資源や食料の安定的な供給の確保(50.3%)
  • 2位:国際社会全体の平和と繁栄による、我が国の平和や安定、一層の繁栄(47.3%)
  • 3位:支援の相手国の購買力向上による日本製品の輸出後押し(35.7%)

なお、中東において、イスラエルおよび米国は2月28日、イランに対する攻撃を開始し、これに対しイランは中東諸国の米軍基地や空港、民間施設などへ反撃を行っている。中東情勢の悪化により、中東地域で国際便は限定的に運航しているものの、空港が閉鎖している国もあり、日本政府が退避支援も行っている。石油や天然ガスの物流の要衝であるホルムズ海峡では、船舶の通航が停止状態(2026年3月4日記事参照)となり、日本政府は「イラン情勢を踏まえたエネルギー対策本部」を設置したほか、原油を輸入するアラブ首長国連邦(UAE)やサウジアラビアの閣僚とも会談した(2026年3月9日記事参照

現地情勢については、特集「イスラエル・米国とイランの衝突に関する中東情勢、各国の反応」を参照。

(井澤壌士)

(日本、中東、アフリカ)

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