中東情勢の悪化に伴い、国際航空貨物にも影響
(世界、日本、中東、米国、イスラエル、イラン、アラブ首長国連邦、カタール、サウジアラビア、バーレーン)
調査部中東アフリカ課
2026年03月06日
イスラエルおよび米国は2月28日、イランに対する攻撃を開始し、これに対しイランは中東諸国の米軍基地や空港、民間施設などへ反撃を行っている。中東情勢の悪化により、中東地域で国際便は限定的に運航しているものの、空港が閉鎖している国もある(2026年3月4日記事参照)。中東への輸送や、中東を経由する国際航空貨物にも影響が出ている。
国際民間航空機関(ICAO)は3月2日、加盟国に対し、国際民間航空条約
の原則と規定を尊重するよう強く求めた上で、加盟国は航空輸送施設と旅客の安全を確保する責任があるとの声明を発表
した。
日本郵便は3月4日、中東地域への発送見合わせや、アフリカや欧州向け郵便物の遅延を発表した。また、航空貨物輸送会社は次のとおり、中東地域の発送についての遅延や滞留、発送の見合わせ、ルート変更などを発表している。
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日本郵便「運行状況
」 -
DHL「重要なお知らせ
」 -
Fedex「中東の現状に伴うサービスの更新
」 -
日本通運「中東地域における物流に関する最新状況
」 -
近鉄エクスプレス「中東情勢によるオペレーションへの影響
」 -
阪急阪神エクスプレス「中東情勢による物流への影響について
」
最新情報は各社ウェブサイトで確認が必要だ。
日本からの航空貨物輸出はUAE、輸入はイスラエルが最多
財務省貿易統計によると、2025年の日本から中東向け輸出は4兆6,360億円で、このうち、航空貨物は8,799億円だった。航空貨物輸出を国別にみると、アラブ首長国連邦(UAE)が中東の大部分を占める7,323億円で、日本から全世界向け輸出額シェアでは1.9%だった。イスラエルが588億円、サウジアラビアが395億円、カタールが138億円、バーレーンが110億円で続いた。なお、UAEは地域の貿易ハブであり、品目として「再輸出品」が約9割を占めたほか、映像機器、原動機、科学光学機器などを日本から輸出した。
2025年の日本の中東からの輸入額は11兆5,342億円であり、大部分が鉱物性燃料の海上輸送で、航空貨物は2,381億円だった。日本の中東全体からの航空貨物輸入額は、世界全体からの輸入額の0.7%と少ない。国別航空貨物はイスラエルが最多で2,072億円となり、半導体など電子部品、科学光学機器、原動機、電気計測機器などを輸入している。そのほか、UAEが180億円、バーレーンが81億円、イランが19億円、サウジアラビアが11億円で続いた。
なお、中東情勢の悪化に伴い、ホルムズ海峡の通航が停止状態にあり、海路にも影響が出ている(2026年3月4日記事参照)。
現地情勢については、特集「イスラエル・米国とイランの衝突に関する中東情勢、各国の反応」、物流事情については、特集「中東・アフリカにおける物流とインフラプロジェクトの動向を探る」も参照。
(井澤壌士)
(世界、日本、中東、米国、イスラエル、イラン、アラブ首長国連邦、カタール、サウジアラビア、バーレーン)
ビジネス短信 18230d6ce7e49d47






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