SNS詐欺広告経由の模倣品被害防止のための動画制作コンペを実施
(世界、日本)
知的資産部知的財産課
2026年02月20日
国際知的財産保護フォーラム(IIPPF)(注1)と国際ファッション専門職大学(注2)は2026年2月6日、「SNS詐欺広告 模倣品被害防止啓発動画制作コンペ」の表彰式を実施した。
近年、海外サイトを含むSNSなどに表示される広告において、日本企業を含む有名ブランド名を無断使用し(商標権侵害行為)、正規品を販売しているかのように見せかけて消費者を模倣品販売サイトに誘導する事例が急増している。「SNSなどインターネット上の誘導型詐欺広告を利用した模倣品流通に関する調査(2025年3月)」(2025年3月19日「調査レポート」)では、Facebook、Instagram、YouTube、TikTok(日本版)、WeChatなど海外サイトを含む複数のSNSで被害が発生していると報告されている。SNSを通じた購買行動の増加をふまえると、これら被害の抑制は消費者保護、安全な越境ECビジネスの環境整備の両面において喫緊の課題であるが、広告主の特定の難しさなど仕組みの複雑さのため実効的な対応が難しい状況にある。そのため、消費者自身が詐欺広告を認識するよう、注意を喚起する啓発活動の重要性が増している。
今回のコンペは、上述の課題を背景として実施された。SNSに触れる機会が多い若年層を含む広い世代に訴求する動画を目指し、同大学の「映像実習」の授業の一環として行った。学生はIIPPFメンバー企業(注3)から被害の実態や企業が取り組む対策について紹介を受け、詐欺広告の仕組みや模倣品の危険性について学びを深めた上で、自由な発想で啓発動画を企画・制作した。
表彰式では、全エントリー作品の上映後、小林利彦IIPPF座長(セイコーエプソン執行役員知的財産本部長)から受賞者に対して表彰状、記念品が授与された。入賞者あいさつでは、最優秀賞受賞者の石原望羽氏(大阪ファッションクリエイション・ビジネス学科2年)から「SNSは普段からよく利用しているが、今回のコンペを通して実社会で多発している問題に触れることができた。企業と関わりながら、社会に向けて発信できる作品づくりの機会をいただけてうれしい」とのコメントが寄せられた。優秀賞受賞者の八面ひなの氏(大阪ファッションクリエイション・ビジネス学科2年)からは「特定のテーマ、知財権への配慮といった決められた枠組みの中で作品づくりするのは大変だったが、世の中にある数十秒の映像作品の裏側にはたくさんの人の時間と労力が費やされていることを知ることができた」とのコメントがあった。最後に、同大学の後藤京子理事より、「今回の共催を通じ、日本だけでなく世界と関わることの重要性、世界に発信することの大切さを再認識した。今後も産業界、国際社会に発信する機会を活かし、実践的な教育を提供していきたい」とのあいさつがあった。
最優秀作品は、今後、IIPPFウェブサイト上で消費者向け啓発動画として公開し、活用される。
最優秀賞受賞/石原望羽氏の作品イメージ(制作者本人提供)
優秀賞受賞/八面ひなの氏の作品イメージ(制作者本人提供)
佳作受賞/山岸千桜氏の作品イメージ(制作者本人提供)
佳作受賞/早川恋姫菜氏の作品イメージ(制作者本人提供)
(注1)国際知的財産保護フォーラム(IIPPF)とは、模倣品・海賊版などの海外における知的財産権侵害問題の解決を目指す官民合同フォーラム。特許庁が活動を支援し、ジェトロが事務局を担う。ジェトロでは、海外ビジネスを行う日本企業の知的財産権保護を支援しており、その活動の一環として、IIPPFを運営している。
(注2)国際ファッション専門職大学
とは、ファッション、ビジネスに特化した実践教育を提供する国内唯一の専門職大学。全員必修の「海外実習・インターンシップ」、世界のトップブランドとの連携も行っている。
(注3)IIPPFメンバー企業(順不同):ワコールホールディングス、武田薬品工業、カシオ計算機、バンダイ、アシックス、パナソニックホールディングス、日産自動車
(城倉ふみ)
(世界、日本)
ビジネス短信 fcca1900659673b6






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