メキシコ中銀、政策金利を7%に据え置き
(メキシコ)
調査部米州課
2026年02月10日
メキシコ中央銀行は、2月5日の金融政策決定会合で、銀行間翌日物金利の誘導水準(政策金利)を7%で据え置くことを決定した。政策金利が据え置かれたのは2024年6月の会合以来だ。
中銀のプレスリリース
では、2026年第1四半期のインフレ率予測は3.7%から4.0%、コアインフレ率(注)は4.0%から4.4%に上方修正された。インフレ率が目標値の3.0%に収束する時期の予測は、2026年第3四半期から2027年第2四半期に後ろ倒しされた。国立統計地理情報院(INEGI)の最新発表をみると、1月末時点の年間インフレ率は3.79%と、12月末時点の3.69%から上昇した。コアインフレ率も、同期間で4.33%から4.52%に上昇している。
中銀は、インフレ見通しの上昇リスク要因として、コアインフレ率上昇の持続、コスト上昇圧力の増加、通貨安、地政学的対立や通商政策による混乱などを挙げた。低下要因としては、予想を下回る経済活動、コスト上昇の価格転嫁の遅れ、通貨高による価格上昇圧力の減少などを挙げた。
今回の政策決定会合では、全会一致で政策金利が据え置かれた。決定の理由としては、上記のインフレ率予測の上方修正に加え、「年初に実施された財政措置の影響を精査する必要性」が挙がった。2026年1月より施行された一般関税率の引き上げ(2026年1月6日記事参照)や、清涼飲料水やたばこなどに対する生産サービス特別税(IEPS)の引き上げなどを念頭に置いているとみられる。財政措置ではないが、最低賃金の引き上げ(2025年12月4日記事参照)もインフレを後押しする可能性がある。
今後の利下げについて、専門家の間でも直近での利下げに慎重な意見が多くを占める。バナメックス銀行のアナリストは「中銀が財政措置によるインフレ上昇を短期的なものだと判断すれば、5月にも利下げを再開し、2026年末には6.5%まで引き下げられるだろう」とした。ゴールドマン・サックスのエコノミスト、アルベルト・ラモス氏は、「3月の会合では利下げが再開されず、金利が据え置かれると予想している。その上で、利下げを再開するタイミングを市場環境の中で探ることになる」との見通しを示した(「エル・フィナンシエロ」紙2月6日付)。
(注)天候などにより価格変動が大きい農産品やエネルギー価格、政府が決定する公共料金などの価格を除いた指数。
(加藤遥平)
(メキシコ)
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