米USTR、アルゼンチンとの相互貿易投資協定に署名

(米国、アルゼンチン)

ニューヨーク発

2026年02月09日

米通商代表部(USTR)のジェミソン・グリア代表は2月5日、アルゼンチンとの相互貿易投資協定に署名外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますしたと発表した。これにより、米国は1,000品目以上のアルゼンチン産品に対する相互関税を撤廃し、その他産品に対しては10%を上限に設定する。一方でアルゼンチンは、200品目以上の米国産工業製品の関税を撤廃する。

トランプ政権は2025年11月に中南米4カ国と相互貿易協定の枠組みに合意しており、そのうちエルサルバドル(2026年1月30日記事参照)、グアテマラ(2026年2月3日記事参照)とは、協定に署名したと1月末に発表していた。アルゼンチンとの協定は、関税から労働、環境など広範な内容を規定している点でこれらと共通している。また、広範なアルゼンチン産品に対して相互関税を撤廃し、それ以外の産品に対する相互関税率の上限を10%に設定した点も同じだ。なお、2025年11月に発表された枠組み合意では、米国は1962年通商拡大法232条に基づく追加関税措置について考慮すると記載されていたが、協定文では言及されなかった。一方でアルゼンチンは、米国産品に対して、最恵国待遇(MFN)関税の即時撤廃、部分的削減などを品目ごとに定めた。自由貿易協定(FTA)の仕組みに近い内容となっている。そのほかアルゼンチンは、年間8万トンまで米国産牛肉に対する関税割り当てを設ける(注)。これに対し、トランプ政権も南米からの牛肉輸入に対して関税割り当てを拡大する予定があると報道されている(政治専門紙「ポリティコ」2月5日)。

経済安全保障に関する内容も過去の協定と同様の規定になっている。投資審査においては、アルゼンチンが、国家安全保障上のリスクを審査するための対内投資審査メカニズムの設立を検討することが規定された。同様の要望は、2026年7月に控える米国・メキシコ・カナダ協定(USMCA)の見直しにおいて、米国からメキシコに対して提案されるのではないかとみられている。

(注)2026年は年間を通じて8万トンとし、それ以降は四半期ごとに2万トンが上限となる。それを超えた場合、アルゼンチンのMFN税率が適用される。

(赤平大寿)

(米国、アルゼンチン)

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