外国企業の対フランス投資、政治不安の中でも堅調

(フランス、北米、中国、インド、日本)

パリ発

2026年02月06日

2025年のフランスは、政治的不安定さや国際情勢の緊張が続く中でも、外国企業による投資が堅調に推移した。フランス貿易投資庁(ビジネスフランス)が2026年1月29日に発表した「2025年対フランス投資統計外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます(フランス語)」によると、外国企業による直接投資は1,878件、創出・維持された雇用は4万7,734人に達した。

投資件数の内訳をみると、販売拠点の設立が522件で最も多く、外国企業による積極的な店舗展開がうかがえる。生産拠点への投資は前年比1.5%増の472件となり、これに意思決定拠点(統括拠点)が299件と続いた。2025年から販売拠点は1店舗=1案件として詳細に集計される方式に変更されたため、前年との単純比較は難しいが、販売拠点を除いたプロジェクトの数は前年比2%増と底堅さを示した。

投資案件の内訳は、新規拠点の開設が1,161件(全体の62%)、既存拠点の拡張投資が563件(30%)となった。事業再生を目的とした買収も48件あり、これにより5,249人の雇用が守られた。

製造業分野では599社が833件の投資を行い、2万119人の雇用を創出した。脱炭素化を目的とした70件の投資プロジェクトのうち、63件が製造分野だった。また、465件の投資が、国家投資計画「フランス2030」(注)で定められた優先戦略分野で行われた。具体的には、クラウド・人工知能(AI)・量子技術(91件、約3,100人)、医療・持続可能な食品(82件、2,000人超)、デジタル化・脱炭素モビリティ(53件、2,150人)、再生可能エネルギー・持続可能な都市づくり・環境配慮型農業(52件、1,700人超)といった分野に集中した。

投資企業を地域別にみると、欧州企業が投資案件の72%、雇用の56%を担った。北米企業は案件数では16%にとどまるものの、物流分野を中心に雇用の30%を創出した。アジア企業による投資は案件数の8%、雇用の11%を占め、そのうち中国、日本、インドの3カ国で投資案件数の88%、雇用の94%を占めた。アジア企業による案件は前年比で件数が7%、雇用が35%増加した。また、事業再生型の買収のうち50%はアジア企業によるもので、2,000人超の雇用維持に寄与した。

(注)「フランス2030」(2023年12月7日付地域・分析レポート参照)は総額540億ユーロの国家投資計画で、脱炭素化と再工業化の推進、エネルギー・産業・先端技術分野での主権確保を目的に、2021年10月に開始された。2025年4月時点で約7,500件のプロジェクトに対し、累計380億ユーロの支援が行われた。

(山崎あき)

(フランス、北米、中国、インド、日本)

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