モンテレイ市でエネルギー・インフラ関連カンファレンス開催
(メキシコ)
海外ビジネスサポートセンターサステナブルビジネス課
2026年02月19日
メキシコのモンテレイ市で1月21~22日、エネルギー・インフラに関するカンファレンス「第11回メキシコインフラプロジェクトフォーラム」
(注1)が開催された。同カンファレンスには、国内のエネルギー関連省庁、州政府、インフラ関連企業などが登壇した。メキシコの電力供給、米国につながる天然ガスパイプラインの現状、エネルギー転換の必要性や電力の国家規制など幅広い議題について、講演やパネルディスカッションが行われた。
フォーラム会場内の様子(ジェトロ撮影)
カンファレンスの冒頭、メキシコを代表する大手金融グループ、グルーポ・フィナンシエロ・バノルテ(GFNorte)のアレハンドロ・パディージャ氏は、「世界情勢に対応してインフラも変化する中、インフラやエネルギー分野への投資が必要だ」と強調し、世界的な課題に対応するため官民が連携する重要性を述べた。
炭化水素部門国家産業安全・環境保護庁は、2025年3月に施行された新電力法(LSE)のもとで実装および運用されている電力監視プラットフォーム(RENAGAS)、環境監査プログラム(PNAA)、国家標準化諮問委員会(CONASA)などを紹介した(注2)。
シーメンス・エナジーのブレンダ・メンデス氏は、「中南米地域は産業基盤とコスト競争力を有しており、それらは脱炭素化の推進要因となっている。石油・ガスは依然として重要なエネルギー源であり、エネルギー転換は、石油と再生可能エネルギー市場におけるシステムの統合、ガスの安定供給、そして送電網・蓄電の拡大によって進む」と述べ、「メキシコは脱炭素化を主導するための資源と人材を備えているが、クリーンエネルギーの潜在力を最大化するにはスマートな政策、信頼や安全保障などの観点から統合されたエネルギーシステム設計が必要」と強調した。そのほかにも、輸送・貯蔵インフラの必要性などについて、メキシコ政府や企業などがさまざまな視点から意見を交わした。
フォーラムに参加したエネルギー関連投資企業に、グリーン水素についてのメキシコの展望を尋ねたところ(注3)、「太陽光や風力などの再エネ資源の観点から、同国はグリーン水素生産に適した国といえるが、現状、メキシコにとって水素は他の選択肢と比べて依然として高価なソリューションであり、当面は再エネと信頼性の高い電力インフラの拡大に注力しつつ、水素は経済性と脱炭素効果が明確な分野に絞って活用していくべきだ」との意見が聞かれた。
カンファレンスに参加した在北米の大手日系企業からは、「同フォーラムを通じてメキシコの電力事情への理解が深まったことに加えて、州政府や企業経営陣などのインフラ・エネルギー関連のキーパーソンとつながりを持つことができ大変有益なイベントだった」との声が聞かれた。
(注1)同カンファレンスの主催者は、INDUSTRY EXCHANGE
。中南米地域のエネルギーやインフラ産業関連のイベントやビジネスフォーラムを企画・運営する。同カンファレンスは、メキシコのエネルギーやインフラに特化した会議およびネットワーキングイベントから構成された。2日間のフォーラムには、約180人が参加した。
(注2)RENAGASは、メキシコ全土のガソリンスタンド、LPガス販売所、ガソリンやガスの貯蔵ターミナル、関連する設備を国家レベルで登録しデータベース化する取り組み。PNAAは、石油・ガス(炭化水素)セクター向けの自主参加型の環境監査プログラム。CONASAは、同セクターの産業安全・運転安全・環境保全に関する国家標準化諮問委員会。新電力法(LSE)については、2025年5月1日付地域・分析レポートおよび2026年1月26日付地域・分析レポート参照。
(注3)メキシコは豊富な再エネ資源などに恵まれており、グリーン水素の低コスト生産拠点としてポテンシャルが高いとされている。詳細は、2024年11月24日付地域・分析レポート参照。
(木村由子)
(メキシコ)
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