トランプ米大統領、イランから物品などを輸入する国へ追加関税を課す大統領令を発表

(米国、イラン)

ニューヨーク発

2026年02月10日

米国のドナルド・トランプ大統領は2月6日、イランから物品などを輸入する国に対し、追加関税を課すことを可能にする大統領令外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますを発表した。同日、ファクトシート外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますも発表した。国務省も同日、イラン産石油・石油製品・石油化学製品の違法取引に関与する15の事業体、2人の個人、14隻の船舶を制裁対象に指定外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますした。

米国は1995年3月に、イランの政策などが米国の国家安全保障、外交政策、経済に対する異常かつ並外れた脅威があると認定し、国家非常事態を宣言する大統領令を発表した。今回発表した大統領令でトランプ氏は、イランに対する緊急事態は継続しているとして、これまでの措置に加え、イランから直接または間接的に、物品・サービスを購買、輸入、その他の方法で取得している国からの輸入に追加関税を課すことを定めた。

大統領令によれば、イランから物品などを輸入している国は商務長官が特定する。商務長官の特定の後、国務長官が追加関税の必要性と、必要な場合の税率を判断する。その上で大統領が、これら報告を受け追加関税の賦課などを最終的に判断する。大統領令では、追加関税率として25%が例示されている。また、本大統領令における「間接的に」とは、仲介業者または第三国を通じた輸入などにおいて、原産地がイランだと合理的に遡及(そきゅう)できる場合を指す、と定義された。

同大統領令は米国東部時間2月7日午前0時1分に発効した。2月9日時点で追加関税の対象に指定された国はないが、政治専門紙「ポリティコ」(2月6日)は、「イラン産原油の最大の購入国である中国に対する暗黙の脅威」と指摘している(注)。

ファクトシートでは、「イランの核能力の追求、テロ支援、弾道ミサイル開発などに対する責任を追及する」「大規模な艦隊を派遣し、イランに対し、核兵器を保有しない公正かつ公平な合意を交渉する席に着くか、さもなければさらに厳しい結果に直面するかの選択を迫った」などと、イランに対する厳しい姿勢を強調した。

なお、今回の措置は、1月29日に発表したキューバに石油を販売する国からの輸入への追加関税賦課を可能にする大統領令(2026年2月2日記事参照)と同様の制度となっている。

(注)米中関係は、2025年10月の米中首脳会談を経て、いったんは小康状態にあるが、今後も緊張と緩和が繰り返されるとみられている(2025年12月9日付地域・分析レポート参照)。

(赤平大寿)

(米国、イラン)

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