中国大手自動車メーカーのBYD、関税返還を求め米国政府を提訴
(米国、中国)
ロサンゼルス発
2026年02月13日
中国の大手電気自動車(EV)メーカー、比亜迪(BYD)の米国子会社4社は1月26日、2025年4月以降に支払った全ての関税の返還を求め、米国国際貿易裁判所(CIT)に対し訴状(訴訟番号26-00847)を提出した(「CNBC」2月9日付、「ロイター」2月9日付、「財経ニュース・サイト」2月5日付)。
BYDは、既に起こされている1,000社余りの訴訟と同様、「国際緊急経済権限法(IEEPA)の条文には『関税』という言葉やそれと同等の意味を持つ用語が使用されておらず、大統領に関税を課す権限を与えていない」と主張し、関税を徴収したことに対する異議を申し立てた。報道によれば、中国の自動車メーカーによる米国の関税を巡る訴訟はこれが初めてという。
BYDは米国内では、ロサンゼルス近郊のランカスター市に工場を構え、EVバスやEV商用車、バッテリー、蓄電システムや太陽光パネルを製造・販売している(全品目ではなく一部品目を製造しており、EV乗用車は製造・販売していない)。
米最高裁判所では、IEEPAを根拠とする関税徴収の適法性について審理が進められているものの、判決時期は明らかになっていない。米国通商代表部(USTR)のジェミソン・グリア代表は、利害の大きさを考慮して、裁判所は時間をかけて判断を行っているとの見解を述べた、と報じられている。現在、IEEPA関税の還付に関する新規訴訟は、「最高裁の最終判断が出るまで手続き停止」(2026年1月5日記事参照)となっている。CITは関税精算の停止を認めず、清算後でも還付請求は可能と判断している(2025年12月17日記事参照)。
また、これまで小切手で行われていた関税還付の方法が変更された。米国税関・国境警備局(CBP)は2月6日以降、CBP電子振替ポータルアカウント(ACE)を保有する法人または個人に対し、電子的に払戻金を受け取るために自動決済システム(ACH)への登録を義務付けており、注意が必要だ。
(サチエ・ヴァメーレン)
(米国、中国)
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