米国際貿易裁判所、IEEPA関税の還付を求める訴訟で新規の処理を停止

(米国)

ニューヨーク発

2026年01月05日

米国国際貿易裁判所(CIT)は2025年12月23日、国際緊急経済権限法(IEEPA)に基づく関税に関連する救済を求める新規の訴訟の処理を停止すると発表外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますした。

CITは事務手続き命令PDFファイル(外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)で、「(同命令の)発令日以降に提起された、IEEPA関税に関連する救済を求める全ての未割当の訴訟および新規の訴訟は、開始の時点で、裁判所の追加措置を要することなく停止される」とした。停止の解除を求める場合は、当該案件が早期の審理に付されるべき正当な理由を示す必要がある。また、連邦最高裁のIEEPA関税の合法性の裁定後に「適切な次の措置」を発表すると説明している。

IEEPA関税を巡っては、現在その合法性を巡る裁判が最高裁で審理されている。仮に最高裁がIEEPA関税を違法と判断したとしても、これまでに徴収された関税が還付されない可能性などが懸念されており、こうした不安から多くの企業が還付などの救済を求めて訴訟を起こしている(2025年12月4日記事参照)。こうした事態に対し、CITは12月15日に、仮に最高裁でIEEPA関税が違法と判断された場合には、トランプ政権がこれまでに徴収したIEEPA関税を還付する意向を示していることなどを理由に、IEEPA関税の清算の停止を求める企業の訴訟を棄却していた(2025年12月17日記事参照)。

しかし、「還付を受けられるのは訴訟を起こした企業に限られる」可能性への懸念も根強く、CITの12月15日の裁定以降も新規の訴訟の申し立てが続いていた。米国通商専門誌「インサイドUSトレード」(2025年12月23日)によれば、12月22日だけでCITに49件の新規の訴訟が起こされ、そのほぼ全てがIEEPA関税の返還を求めたものだった。

今回のCITの発表では、訴訟を起こしていない企業への還付に関する具体的な説明はなかった。今後、IEEPA関税を巡る最高裁の裁定が下される中で、IEEPA合法性に加え、違法と判断された場合の還付の仕組みも引き続き注視する必要がある。

(葛西泰介)

(米国)

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