中国、自動車価格行為指針を公布、価格協調など規定

(中国)

上海発

2026年02月16日

中国の国家市場監督管理総局は2月12日、「自動車業界の価格行為コンプライアンス指針」(2026年第10号公告、以下指針)を公布した。同指針は2月9日の局務会議で可決され、公告によれば公布日より施行するとしている。

同指針は2025年12月12日から12月22日まで指針の草案に対するパブリックコメントが実施され、自動車メーカー各社も相次いで体制整備を進める方針などを示していた(2025年12月18日記事12月19日記事記事参照)。今回パブリックコメントを経て正式に公布された。

本指針は「自動車市場の価格秩序と公正競争を維持し、消費者および経営者の合法的権益を保障し、自動車業界の高品質発展を促進する」ことを目的とする。総則、自動車生産企業の価格行為、自動車販売企業の価格行為、コンプライアンス建設、附則の5章構成となっている。

自動車生産企業に関しては、完成車および部品の価格水準の固定、価格変動幅の取り決め、統一的な価格算定基準の採用などの価格協調行為に重大な法的リスクがあると明記した。また、競争相手の排除や市場独占を目的として生産コストを下回る出荷価格を設定する行為にも重大な法的リスクがあると規定し、割引・補助金、非対等な物資の交換、入札での過度な低価格設定、「多発貨少開票」(実際より多く出荷し、請求書の数量や金額を少なく記載する方法)などを例示した。さらに完成車および部品販売、金融サービスなど各段階を含む全チェーンで価格行為を管理すると規定している。なお草案の時点では「完成車販売」としていた対象が、本指針では「完成車および部品販売」に変更されている。

自動車販売企業については、営業所およびインターネット販売における価格表示の方法や表示内容を具体的に規定し、車両名称、販売価格、主要装備、標準パラメータなどを明示することを求めるとともに、表示価格以外での上乗せ販売や未表示費用の徴収を禁止すると明記した。さらに、虚偽または誤解を招く価格表示として、虚偽の市場価格やメーカー希望価格などの比較基準価格の表示や、虚偽の期間限定値下げ表示などの類型を挙げた。

さらに、生産企業が消費者に直接販売する場合、その価格行為には販売企業に関する規定を適用すると定めた。加えて、プラットフォーム事業者については、価格促進活動において違法リスクが認められた場合の警示やサービス停止などの措置を講じること、ならびに監督当局による調査に協力する義務を規定している。

ロイターは2月12日付報道で、全国乗用車市場情報聯席会の崔東樹・秘書長が、「指針は業界の秩序ある競争と理性的な発展を促し、高品質な成長を推進するものである」との見方を示したと報じた。

なお、本指針では、草案に盛り込まれていた出荷価格を「生産企業がディーラーなどに販売する際の請求書記載価格」と定義する規定や、無料期間を「車両引渡日から起算する」と明記する規定は削除されている。

(伊藤彩菜)

(中国)

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