中国自動車工業会が自動車業界の価格行為コンプラ指針の解説を公開

(中国)

上海発

2025年12月19日

中国自動車工業会(CAAM)は12月12日、同日に発表された国家市場監督管理総局の「自動車業界の価格行為コンプライアンス指針外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます」草案(以下、指針案)の解説外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますを発表した(2025年12月18日記事参照)。

CAAMは、近年の中国の自動車業界における「内巻」と称される過度な企業間競争が、産業の健全な発展と業界全体の収益低下につながっていると指摘する。2024年7月の中国共産党の中央政治局会議で示された「業界における自律の強化と、内巻による過当競争の防止」の方針を背景に、政府・業界団体・企業が連携して価格競争の是正に取り組んできたとした。

解説では、指針案が自動車生産・販売企業に対して明確かつ具体的な行動指針を示すものであるとの認識を示した。さらに、企業経営においてコンプライアンスの順守が基本的な前提としたうえで、自動車の生産・販売企業は、内部の価格コンプライアンス管理体制を整備し、価格リスクの識別や予防を強化することで、過当な競争行為を自主的に規範化する必要があるとした。

メーカー各社も指針に沿った体制整備を意思表明

指針案の発表を受けて、自動車メーカー各社も相次いで反応を示している。比亜迪(BYD)は指針発表の同日に、指針をもとに、自社の価格管理およびコンプライアンス体制の最適化を継続していく方針を示した。価格競争行為に関する規範要求の厳格な実行と消費者の権益保護、不当な価格行為や不正競争の排除に取り組む姿勢を明らかにしている。あわせて、業界の模範的役割を果たすことで、全体のコンプライアンス順守や自動車産業の高品質な発展に貢献していくとした。

このほか、奇瑞汽車や小鵬汽車など複数のメーカーも、指針を重視し、価格管理や販売行為におけるコンプライアンス体制の整備を進める方針を公式に示している。各社とも、国家の関連法令および主管部門の要求を踏まえ、適正化に取り組む姿勢を強調している。

(伊藤彩菜)

(中国)

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