欧州委、ベルギーのNECP最終版に対し、原子力活用によるエネルギー安全保障強化を評価

(ベルギー、EU)

ブリュッセル発

2026年02月16日

欧州委員会は1月26日、ベルギーの国家エネルギー・気候計画(NECP)の最終版(2025年8月6日記事参照)に対する評価を発表(プレスリリース外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)した。NECPは加盟各国が策定するEUの気候変動目標達成に向けた計画表で、温室効果ガス(GHG)排出削減など2030年目標達成に向けた具体策を定めたもの。2023年の草案より目標は引き上げられたものの、特に再生可能エネルギー(再エネ)とエネルギー効率化分野で、目標値との乖離を埋めるには、さらなる取り組みが必要と評した(添付資料表参照)。NECP最終版の提出期日は2024年6月末だったが、ベルギーは提出が遅れ、2025年10月に提出した。

加盟国の排出削減の分担に関する規則(ESR)の削減目標は、草案時点の42.6%(2005年比)からわずかに引き上げ42.7%としたが、割り当て排出削減(47%)には届いておらず、欧州委は、特に運輸分野の政策実施を促した。土地利用・土地利用変化・林業部門(LULUCF)では、ベルギーは吸収超過を達成しており、2022年にはGHG総排出量の約0.4%相当を吸収、目標を上回る成果が見込まれている。

再エネ指令改正法で定める2030年のエネルギーミックスに占める再エネ比率目標は、草案時点の21.7%から20.4%に引き下げられ、国別貢献割合の目標である33%を下回っており、欧州委は再エネ関連技術の導入、木質バイオマスの供給に対する見通しが含まれていない点を指摘した。

エネルギー効率化指令は、一次エネルギー消費量に対する目標〔41.3石油換算メガトン(Mtoe)〕が参照目標水準(34.7Mtoe)を大幅に下回るとし、省エネ効果を数値化し、電力と冷暖房の供給をエネルギーシステムに統合するための法的枠組みを強化すべきとした。

エネルギー安全保障については、ベルギーでは天然ガスの供給源の多角化、エネルギー消費水準の安定維持、ならびに原子力や水素などの代替エネルギーの模索を通じて強化が行われている。欧州委は、既存の原子炉の稼働延長や小型モジュール炉(SMR)の可能性検討(2025年11月19日付地域・分析レポート参照)を通じ、電力システムの強靭(じん)性に取り組んでいると評した。

(大中登紀子)

(ベルギー、EU)

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