アントワープ世界ダイヤモンドセンター、EUとインドのFTAを歓迎、急成長する消費市場に期待
(ベルギー、EU、インド、ロシア、アラブ首長国連邦、中国)
ブリュッセル発
2026年02月17日
ベルギーの産業団体のアントワープ世界ダイヤモンドセンター(AWDC)は1月27日、EUとインドとの自由貿易協定(FTA)の交渉妥結(2026年2月2日記事参照)を歓迎した(プレスリリース
)。協定が発効すれば、EUからインド向けの研磨済みの天然ダイヤモンドの輸入関税は5.5%から2.5%に引き下げられる。
AWDCによると、インドはジュエリー消費市場として最も急成長している市場の1つだが、これまでに輸入関税の引き上げを繰り返し行い、業界に不確実性をもたらしてきたという。2012年以降、輸入関税は2%から2.5%に、その後5%、2018年には7.5%にまで引き上げられた後、2022年には5.5%に引き下げられた。今回のFTAにダイヤモンドの関税が組み込まれたことで、必要とされていた安定性が確保されることになったと評した。
AWDCによると、ロシアによるウクライナ侵攻前は、ベルギーが輸入するダイヤモンド原石の3分の1以上をロシア産が占めていたが、2023年12月のEUの対ロシア制裁第12弾でロシア産ダイヤモンドが輸入禁止(2023年12月22日記事参照)となった。この影響もあり、2024年、2025年のベルギーのダイヤモンド原石の総輸入量はそれぞれ前年比22.8%減、16.2%減だった(添付資料表参照)。
消費市場の低迷や合成ダイヤモンドとの競争により、天然ダイヤモンドの需要は深刻な危機に直面しており、価格は史上最低水準に落ち込んでいる。AWDCの子会社でダイヤモンド鑑定機関であるHRDアントワープは2025年6月、合成ダイヤモンドの鑑定業務を終了し、天然ダイヤモンドのみを専門に扱う、世界で初めてかつ唯一の機関となった。アラブ首長国連邦のドバイや中国、インドなど他のダイヤモンド鑑定機関との差別化を図っている。
(大中登紀子)
(ベルギー、EU、インド、ロシア、アラブ首長国連邦、中国)
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