メルコスール・セミナーを大阪で開催
(日本、メルコスール、ブラジル、アルゼンチン、パラグアイ、ウルグアイ、EU)
大阪本部海外ビジネス推進課
2026年01月29日
ジェトロと日本商工会議所、大阪商工会議所、日亜経済委員会、日本経済団体連合会は1月26日、メルコスールの通商政策に関するセミナーを大阪で開催した(注1)。セミナーでは、ジェトロの担当者がメルコスールにおけるビジネス機会やメルコスールが1月17日に署名に至った対EU・FTAの概要を解説した(2026年1月21日記事参照)。
外務省中南米局南米課長の黒石亮氏はあいさつで、メルコスールは域内人口が約2億8,000万人、域内GDPが約3兆ドルに上るだけでなく、鉱物、食料、エネルギーなど豊富な資源を有しており、また近年、法の支配に基づく自由な国際秩序が脅かされる中で、日本にとってはこれまで以上に重要性が増しているパートナーであると指摘。このような中、2025年12月に「日・メルコスール戦略的パートナーシップ枠組み」を立ち上げ、関係強化に努めていると語った(注2)。
経済産業省通商政策局の中山保宏中南米室長は、日メルコスールの貿易投資関係は多様かつ高度な分野へと拡大しており、2025年3月のブラジルのルイス・イナシオ・ルーラ・ダ・シルバ大統領訪日時に締結された2国間協力覚書リストには脱炭素技術、デジタル技術、医療、防災関連などさまざまなプロジェクトが盛り込まれたと指摘。同省は日本企業によるメルコスール域内における新ビジネスの創出や社会課題解決を応援していると述べた(注3)。
ジェトロ調査部米州課の辻本希世課長代理は、メルコスール加盟国の概況や通商政策について説明した。メルコスールはすでにイスラエル、エジプトとFTAを締結済みで、カナダ、インドネシア、韓国、アラブ首長国連邦(UAE)とは交渉中、シンガポールとEFTA(注4)は署名済みで発効待ちの状況であるとした。EUとのFTAは1月17日に署名に至ったものの、欧州議会は21日、EU司法裁判所(CJEU)に対し、メルコスールとのパートナーシップ協定(EMPA)とそのうち通商部分を分離した暫定貿易協定(iTA)のEU条約との適合性の審査を求める決議を僅差で採択した(2026年1月27日記事参照)。今後の動向に注目が集まる(注5)。
ジェトロ調査部の中畑貴雄主幹は、公開されている協定文書に基づきEUメルコスールFTAについて解説した。メルコスールが締結するFTAはわずかで、よって、関税障壁が比較的高いブラジルは、これまでどの国から輸入しても高関税が賦課されていたが、今般の対EU・FTAが発効して関税引き下げが行われると、関税格差によりEU製品に優位性が生まれると指摘した。
セミナーの様子(ジェトロ撮影)
(注1)メルコスールはアルゼンチン、ブラジル、パラグアイ、ウルグアイの4カ国の正式加盟国で構成される関税同盟である。
(注2)日本商工会議所、東京商工会議所国際部の富澤陽一副部長が代読。
(注3)日本商工会議所、東京商工会議所国際部の富澤陽一副部長が代読。
(注4)欧州自由貿易連合。アイスランド、ノルウェー、スイス、リヒテンシュタインの4カ国で構成されるFTA。
(注5)現地報道によるとCJEUの審査には1年半から2年かかるとみられる。
(齋藤寛)
(日本、メルコスール、ブラジル、アルゼンチン、パラグアイ、ウルグアイ、EU)
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