メルコスールとEUが歴史的な自由貿易協定に署名

(アルゼンチン、ブラジル、パラグアイ、ウルグアイ、EU、メルコスール)

ブエノスアイレス発

2026年01月21日

メルコスール正式加盟4カ国(アルゼンチン、ブラジル、パラグアイ、ウルグアイ)とEUは1月17日、パラグアイの首都アスンシオンでパートナーシップ協定(EMPA)および暫定貿易協定(iTA)に署名した。メルコスール側は、ブラジルのルイス・イナシオ・ルーラ・ダ・シルバ大統領を除く各国首脳、EU側は、欧州委員会のウルズラ・フォン・デア・ライエン委員長、欧州理事会のアントニオ・コスタ常任議長などが出席した。

自由貿易協定であるiTAなどのパラグアイでの署名式では、各国首脳、代表者が演説を行った。2026年上半期のメルコスール議長国であるパラグアイのサンティアゴ・ペニャ大統領は、メルコスールが誕生したアスンシオンで協定が署名されたことの象徴的意義を強調するとともに、「メルコスールとして、この協定が主な受益者である数百万の欧州・ラテンアメリカ市民の生活に実質的な改善をもたらすことを願っている」と述べた。

アルゼンチンのハビエル・ミレイ大統領は、25年にわたる長い交渉を経て署名に至ったことを踏まえ、「両地域の自由貿易協定は、メルコスール創設以来の最大の成果であり、より開放的で、予測可能、柔軟かつダイナミックな国際的統合を模索するという、ブロックの考え方を具体化したもの」と評価。交渉が進んでいる他の協定も引き続き推進すると述べた。日本については、新たな協定の機会を模索するとした。

ウルグアイのヤマンドゥ・オルシ大統領は、協定が「世界最大の包括的貿易協定であるだけでなく、ルールを重視するという明確な決断を再確認する点で、特に重要な意味を持つ」と述べ、国際秩序の脆弱(ぜいじゃく)性や分断する現在の世界情勢を憂慮した。

1月15日付のアルゼンチンの現地紙「ラ・ナシオン」(電子版)は、ルーラ大統領の署名式欠席について、2025年12月にブラジルのフォス・ド・イグアス市で開催されたメルコスール首脳会合の場で本協定に署名できなかったことへの意趣返しである、と報じた。また同紙では、EU代表団が、署名式前日にリオ・デ・ジャネイロ市でルーラ大統領と会談することを発表した欧州委の声明において、「ルーラ大統領の役割がEUとメルコスール間の協定交渉を推進し、署名への道筋を整える上で極めて重要」だったと触れたことにアルゼンチン政府関係者が不快感を示した、と報じている。ただ、真相は不明だ。

いずれにせよ、メルコスール加盟各国はこの歴史的協定への署名を歓迎しており、iTAの早期発効が期待される。

(西澤裕介)

(アルゼンチン、ブラジル、パラグアイ、ウルグアイ、EU、メルコスール)

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