チェコ下院、第3次バビシュ内閣を信任
(チェコ、EU)
プラハ発
2026年01月19日
チェコ下院は1月15日、第3次バビシュ内閣(2025年12月17日記事参照)を賛成108票、反対91票で信任した。
新内閣は、欧州議会では極右の「欧州の愛国者」会派に属するANO 2011(ANO)を中心に(2025年2月17日付地域・分析レポート参照)、ナショナリズム政党「自由と直接民主主義の党(SPD)」および右派新党モータリスト(オート)の3党から成る。
政府は綱領の中で、EUに関して、加盟国の統合が各国の主権を侵さない範囲に制限されるよう、改善を目指すことを明言している。具体的には移民および排出量取引制度(ETS)に関わる現状について、前者では不法移民に対する「ゼロ・トレランス」を基盤とする国家移民法の改正を提言、後者については既存のEU ETSのEUレベルでの再評価を積極的に推進し、2027年に開始予定のEU ETS IIに関してはその国内法制化を拒否するとしている(注)。また、内閣はユーロ導入を実施しない方針も打ち出している。
国内経済に関しては、増税を実施しないこと、法人税については現状の21%から19%に減税することを宣言している。また、再生可能エネルギー賦課金の世帯・企業負担を廃止し、国家予算に組み入れる方針も明らかにしている。
チェコ商工会議所は、内閣が綱領を承認した1月5日に、新政権の政策は、戦略的分野の多くにおいて同会議所の長期的優先事項と一致すると発表した。企業の国際競争力を左右する政策において、EU域内でチェコの国益を優先する姿勢を歓迎、特にエネルギー価格の安定、煩雑な官僚的手続きの削減などを強調している点を評価している。一方、同会議所は、政府がこれらの政策目標をいかに迅速かつ着実に実現していけるかがカギとなると指摘している。同会議所のズデニェック・ザイーチェック会頭は、「綱領の声明は具体的措置や法律改正につながって初めて評価される」と慎重な構えを示しつつ、「財政の観点で長期的に持続可能かどうかも根本的な課題」と述べた。さらに、官僚主義やエネルギー価格と並んで労働力不足も、チェコにおける企業活動発展を阻む主な障壁の1つとなっているとした上で、これらを考慮した経済・労働・移民政策を進めることが重要と強調した。
(注)EUの排出量取引制度に関する詳細は、調査レポート「EU ETSの改正およびEU ETS II創設等に関する調査報告書(2024年5月)」を参照。
(中川圭子)
(チェコ、EU)
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