ペトル・パベル大統領、第3次バビシュ内閣閣僚を任命

(チェコ)

プラハ発

2025年12月17日

チェコのペトル・パベル大統領は12月15日、アンドレイ・バビシュ新首相の提案に基づき、3政党から成る新内閣の閣僚を任命した。10月3~4日に実施された下院選挙の結果(2025年10月8日記事参照)、バビシュ氏の率いる中道右派ANO 2011(ANO)とナショナリズム政党「自由と直接民主主義の党(SPD)」、および右派新党モータリスト(オート)の3党が連立での組閣に合意していた。

バビシュ新首相(71歳)は、ブラチスラバ経済大学卒。2011年にANOを結成し、2017年12月~2018年6月および2018年6月~2021年8月に首相を務めた経験を持つ。今回が3度目の首相就任。また同氏は実業家で、国内最大手の化学・食品企業グループ、アグロフェルトの創設者、所有・経営者でもある。同氏は今回の首相就任にあたり、利益相反回避のため、同社の所有・経営権の放棄を宣言した。

新内閣の他の閣僚の顔ぶれは次のとおり(かっこ内は所属政党)。

  • 産業貿易相兼第1副首相:カレル・ハブリーチェック(ANO)
  • 財務相兼第副首相:アレナ・シレロバー(ANO)
  • 外相・環境相兼副首相:ペトル・マツィンカ(オート)
  • 防衛相兼副首相:ヤロミール・ズーナ(無所属、SPD推薦)
  • 労働・社会福祉相:アレシュ・ユヘルカ(ANO)
  • 内務相:ルボミール・メトナル(ANO)
  • 地方開発相:ズザナ・ムラーゾバー(ANO)
  • 保健相:アダム・ボイチェフ(無所属、ANO推薦)
  • 教育・青年・体育相:ロベルト・プラガ(無所属、ANO推薦)
  • 法務相:ヤロニーム・テイツ(無所属、ANO推薦)
  • 運輸相:イバン・ベドナーリク(無所属、SPD推薦)
  • 農相:マルチン・シェベスティアーン(無所属、SPD推薦)
  • 文化相:オト・クレムピーシュ(無所属、オート推薦)
  • スポーツ・予防・健康担当無任所大臣:ボリス・シュチャストニー(オート)

新内閣は、チェコ共和国憲法により、大統領による閣僚任命後30日以内に下院に対して信任議決を求めることが定められている。チェコテレビの12月5日の報道によると、SPD党首で下院議長のトミオ・オカムラ氏は、信任投票を1月13日に実施することを提案している。

(中川圭子)

(チェコ)

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