欧州委、再生プラの利用拡大に向けた政策パッケージを発表、ケミカルリサイクルを推進
(EU)
ブリュッセル発
2026年01月09日
欧州委員会は2025年12月23日、循環型経済を推進すべくプラスチックに特化した政策パッケージを発表した(プレスリリース
)。今回の政策パッケージは、停滞する再生プラスチックの需要拡大に向け、短期的に実施可能な措置をまとめたものだ。
まず欧州委は、加盟国に対し、ケミカルリサイクル(注1)を推進する使い捨てプラスチック指令(2021年6月7日記事参照)の実施決定の改正案の採択を求めた。同指令において、加盟国は2025年までに自国で販売される特定の飲料用ボトルの25%を再生プラスチックにすることが義務付けられており、2030年には同目標は30%に引き上げられる。再生プラスチックの計算・検証・報告に関する実施決定により、事業者は同目標の達成に向け販売した対象ボトルの重量および対象ボトルに使用された再生プラスチックの重量を報告することが求められる。
現行の実施決定では、メカニカルリサイクル(注2)で処理されたプラスチックのみが同目標において再生プラスチックとして扱われているが、今回の改正案では、化学業界が要望していたケミカルリサイクルで処理されたプラスチックについても(2023年3月3日記事、2025年7月17日記事参照)、再生プラスチックとして扱うことを認めるほか、再生プラスチックの計算において、マスバランス方式(注3)を導入する。
また、欧州委は、再生プラスチックを二次原材料として扱う基準を設定する実施規則を提案した。同実施規則は、廃棄物枠組み指令(2025年2月21日記事参照)に基づくもので、メカニカルリサイクルで処理されたプラスチックに関するEU共通基準となる。欧州委は、同実施規則に関し、2026年1月26日までパブリックコンサルテーション(公開諮問)を実施する。
さらに、欧州委は、域外から輸入される未使用のプラチック(バージンプラスチック)原料が再生プラスチックとして販売されている事例があるとして、規制を強化する方針を発表した。2026年第2四半期に委員会規則を改正し、食品容器向け再生プラスチックの輸入時により厳格なコンプライアンス書類の提出を義務付ける。また、関税コードを改正し、バージンプラスチックと再生プラスチックを区別する。
(注1)廃プラスチックを化学的に分解し、元の化学成分に戻して再利用するリサイクル技術。メカニカルリサイクルに比べ、高品質な製品を製造可能だが、環境負荷は高い。
(注2)廃プラスチックを粉砕、洗浄し、高温で溶融・減圧・ろ過などを行い再利用するリサイクル技術。
(注3)バージンプラチックと再生プラスチックが混合されている場合に、再生プラスチックの投入量に応じて、生産する製品の一部を再生プラスチックとして割り当てる手法。
(吉沼啓介)
(EU)
ビジネス短信 c77cafa9bdb3f1eb




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