スリランカでサイクロン「ディトワ」被害甚大
(スリランカ)
コロンボ発
2025年12月01日
サイクロン「ディトワ(Ditwah)」が11月27~29日にスリランカに上陸し、広範囲に豪雨や暴風をもたらした。洪水や河川の氾濫、地滑りなどの災害が発生し、甚大な被害が生じている。スリランカ災害管理局(DMC)によると、このサイクロンによるスリランカでの死者は334人、行方不明者が370人、避難者が5万5,747世帯19万6,790人、被災者が30万9,607世帯111万8,929人となっている(11月30日午後6時現在)。
アヌラ・クマーラ・ディサーナーヤカ大統領は、11月28日付の臨時官報で国家非常事態を宣言し、政府機関に対して緊急対応を促した(「ニュースファースト」、「アダデラナ」11月29日)。また、ハリニ・アマラスーリヤ首相は11月28日、在スリランカの外交団に緊急支援を要請し、日本のほかインド、米国、モルディブ、中国、オーストラリア、パキスタンなどが緊急援助の提供を発表している。
スリランカ各地では、道路交通や鉄道、電気や水道、通信などのインフラに影響が生じており、政府当局は復旧を急いでいる。コロンボ~中部キャンディ間の主要道路では、ヤッカラ付近で橋が沈下し、迂回が必要になっている。スリランカ空港公社は、コロンボのバンダラナイケ国際空港へのアクセスについて、洪水の影響を避けるため、高架の高速道路を利用するよう促している。
経済活動への影響も懸念される。ジェトロが現地進出日系製造企業3社にサイクロンの影響について話を聞いたところ(インタビュー日:11月29日)、同日時点では、いずれも工場の建物への被害は確認されていない。一方で、従業員の住居への浸水や道路冠水の影響で、臨時休業や自宅待機などが発生しているという。今後、各社の操業への影響が長期化するおそれもある。
(大井裕貴)
(スリランカ)
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