米FRB、政策金利を据え置き

(米国)

ニューヨーク発

2026年01月29日

米国連邦準備制度理事会(FRB)は1月27~28日に連邦公開市場委員会(FOMC)を開催し、大方の市場予想どおり、政策金利のフェデラル・ファンド(FF)金利の誘導目標を3.50~3.75%に維持することを決定した(添付資料図参照)。既に前回会合において、今後しばらくの間、積極的な利下げが必要ではないことが示唆されており(2025年12月11日記事参照)、この方向性に沿った決定となった。なお、FOMCにおいて投票権を持つ5人の地区連銀総裁のうち、輪番制となる4人のメンバーが今会合から新しい顔ぶれとなっている(注1)。今回の決定に対しては、クリストファー・ウォラー理事、スティーブン・ミラン理事の2人が0.25ポイントの利下げを主張して反対票を投じた。

今回発表された声明文外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますの前回からの主な変更点は2点あり、(1)堅調な2025年第3四半期GDPの結果外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますなどを踏まえ、経済活動に係る判断を上方修正、(2)2025年12月の雇用統計の結果(2026年1月13日記事参照)などを踏まえ、「雇用の増加は依然として低い水準にあるが、失業率は安定化の兆しを見せている」として労働市場に係る判断を上方修正するとともに、物価と雇用のリスクバランスに関して雇用のリスクをより重視する文言を削除した。

FOMC後の記者会見では、ジェローム・パウエルFRB議長に対し、FRBの独立性や金融政策の方向性に関する質問が複数あった。2026年5月に議長としての任期を終えた後もFRB理事として留任する考えがあるか(注2)といった質問や、1月11日に発表された最高裁への召喚命令に係る声明外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます(注3)についての議長自身の見解、次期議長についての見解などが問われたが、いずれも直接的な回答を控え、金融政策の独立性に対する一般的な見解を示すにとどまった。

見通しについては、「今回の声明文において経済認識が上方修正されたことに伴って、利下げ時期が遅くなる可能性があるのか」との質問に対し、経済認識が上方修正されたことを歓迎しつつも、今後の見通しはデータ次第というスタンスを維持した。また、「今後の利下げに関して、労働市場のさらなる悪化が必要となるのか、それともインフレ率が低下するだけで十分なのか」との質問に対しては、労働市場の減速は利下げの根拠となり得るが、インフレが悪化していないかなど両方を見ながら判断を下していくとのスタンスを示した。

(注1)2026年に投票権を持つメンバーは、ベス・ハマック・クリーブランド連銀総裁、ニール・カシュカリ・ミネアポリス連銀総裁、ローリー・ローガン・ダラス連銀総裁、アンナ・ポールソン・フィラデルフィア連銀総裁の4人。

(注2)パウエル氏の議長としての任期は2026年5月までだが、FRB理事としての任期は2028年1月までとなっている。議長退任時に理事も辞任することが慣例ではあるものの、法的には理事として在任し続けることも可能で、過去に2人の前例がある。

(注3)FRB本部の改修費が当初予定を超過していることに関し、2025年6月に上院銀行委員会においてパウエル議長が議会証言を行った。司法省は2026年1月9日、FRBに対して召喚状を発出し、本証言に関して偽証の疑いで刑事告訴の可能性がある旨を示唆。これに対し、パウエル議長は、「改修費に係る問題は口実であり、FRBが大統領の意向に従わず、国民の利益に資すると判断した最善の評価に基づいて金利を設定したことに対する報復だ」として強く反発する声明を発表していた。

(加藤翔一)

(米国)

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