2026年のインフレ率はアフリカ9.1%、中東諸国含む西アジア8.6%、世界でも高い水準
(中東、アフリカ、イラン、アラブ首長国連邦、サウジアラビア、トルコ、エチオピア、ナイジェリア、エジプト、モロッコ、ベネズエラ)
調査部中東アフリカ課
2026年01月21日
国連は1月8日に世界経済に関する報告書「2026年の世界経済情勢と展望」に関するプレスリリースを発表した
。報告書によると、世界のインフレ率は2025年に3.4%、2026年に3.1%との予測だ。中東諸国を含む西アジア(注)では2025年に11.9%のところ、2026年に8.2%、2027年には7.3%まで落ち着く見込みだ。なお、湾岸協力会議(GCC)諸国を含む西アジアの石油輸出国では2026年のインフレ率は1.7%と低いが、西アジアの石油輸入国では16.3%と高い。
報告書によると、西アジアのインフレは緩和傾向だが、国によって状況は異なるほか、食料、エネルギー、住宅などの生活費が低所得世帯の負担となっているという。また、金融政策のほか、信頼できる財政運営、生産能力とサプライチェーンの強化などもインフレ対策として必要だと指摘した。
アフリカ全体のインフレ率は2025年に11.3%のところ、2026年に9.1%、2027年には8.2%に落ち着くとの予測だ。為替レートの安定化などを背景にインフレが緩和しているという。一方、構造的な脆弱(ぜいじゃく)性と気候変動の影響などもあり、食料インフレ率は依然として高い。報告書では、信頼性の高い金融政策、貧困支援、食料供給や物流への戦略的投資などが必要だと指摘した。
中東アフリカ諸国がインフレ率上位
2026年の国別インフレ率予測は世界でベネズエラが最も高いが、アフリカのジンバブエ、スーダンが続く。世界のインフレ率上位20カ国のうち、中東アフリカ諸国が13カ国となった(南アジア分類のイランを含む)。
2026年の世界のインフレ率予測で上位20カ国は次のとおり。
- ベネズエラ:129.9%(中南米)
- ジンバブエ:109.8%
- スーダン:87.0%
- イラン:35.4%(南アジア)
- 南スーダン:30.2%
- ハイチ:29.0%(中南米)
- マラウイ:24.2%
- イエメン:24.1%
- ミャンマー:22.9%(東南アジア)
- トルコ:22.4%
- ブルンジ:21.3%
- ボリビア:21.1%(中南米)
- アルゼンチン:18.5%(中南米)
- アンゴラ:18.1%
- ザンビア:16.4%
- エチオピア:16.1%
- ナイジェリア:14.2%
- キューバ:12.4%(中南米)
- エジプト:10.4%
- カザフスタン:9.9%(中央アジア)
中東アフリカで2026年のインフレ率が低いとの予測の国は、ベナン(1.1%)、チャド(1.2%)、バーレーン(1.2%)、モロッコ(1.4%)、イラク(1.5%)、サウジアラビア(1.5%)、オマーン(1.5%)、カタール(1.7%)、アラブ首長国連邦(UAE)(1.8%)などだ。なお、日本は2026年に2.9%の見込み。
また、2026年の経済成長率をみると、世界で2.7%のところ、アフリカは4.0%(2026年1月20日記事参照)、中東諸国を含む西アジアは4.1%の見込みだ(2026年1月19日記事参照)。
(注)同報告書での「西アジアの分類」は、バーレーン、イラク、クウェート、オマーン、カタール、サウジアラビア、アラブ首長国連邦(UAE)、イエメン、イスラエル、ヨルダン、レバノン、パレスチナ、シリア、トルコの14カ国・地域が含まれる。同報告書の分類ではイランは南アジアに含まれる。
(井澤壌士)
(中東、アフリカ、イラン、アラブ首長国連邦、サウジアラビア、トルコ、エチオピア、ナイジェリア、エジプト、モロッコ、ベネズエラ)
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