フランスの合計特殊出生率が1.56に低下、少子化が深刻に

(フランス)

パリ発

2026年01月19日

フランス国立統計経済研究所(INSEE)が1月13日に発表した人口動態調査外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます(フランス語)によれば、2025年の出生数から死亡数を引いた人口の自然増減は6,000人の減少となり、第二次世界大戦後初めてマイナスに転じた。移民の純増(17万6,000人)を加えた2026年1月1日時点の推計人口は6,910万人と、1年前より0.25%増加した。

2025年の出生数は推計64万5,000人で、前年から2.1%減。死亡数は65万1,000人と推計され、2024年より1.5%増加した。

出生数の減少幅は2024年(2.8%減)や2023年(6.6%減)より小さいが、2010~2022年の年平均(1.3%減)を上回る。直近のピークとなった2010年に比べると23.6%少なく、1942年以来の低水準となった。

女性1人が平均して産む子供の数を示す「合計特殊出生率(TFR)」は減少を続け、2025年に1.56(海外県・海外領土を除いたフランス本土は1.53)と、2024年の1.61からさらに低下し、第一次世界大戦後で最も低い水準となった。最も高い水準だったのは2010年の2.02(フランス本土)だった。

INSEEは、出産可能年齢(特に20~40歳)の女性の数は2016年以降安定しており、出生数の減少は出生率の低下が主因だと説明した。平均出産年齢は年々上昇し、2005年の29.6歳から2025年には31.2歳になった。

他方、2025年の平均寿命は、女性が85.9歳、男性が80.3歳となった。いずれも前年から0.1歳伸び、過去最高を更新した。人口の高齢化が進行しており、2026年1月1日時点で65歳以上の人口は全体の22.2%となり、20歳未満の22.5%とほぼ肩を並べた。2006年時点では65歳以上は16.4%、20歳未満は25.1%だった。

ここ数年の出生率の低下を受けて、政府は2026年の社会保障予算法で「出生休暇」を創設した(2025年10月22日記事参照)。エマニュエル・マクロン大統領が2024年1月に示した人口再建策の1つで、両親それぞれが、産休・父親の育休に加えて1~2カ月の有給休暇を取得できる。2026年7月1日から適用される。両親が同時に、または交代で取得することが可能で、1カ月を2回に分けて取得することもできる。給付額は1カ月目が給与の70%、2カ月目が60%で、取得期限は子の誕生から9カ月以内となる。

出生率低下は、フランスの社会保障制度、特に年金制度の持続性に影響する重大な問題であり、今後、政策効果が注目される。

(山崎あき)

(フランス)

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