建設受注、短中期的に空港拡張など大型プロジェクトが牽引

(シンガポール)

シンガポール発

2026年01月27日

シンガポール建設庁(BCA)は1月22日、2025年の公共と民間を合計した建設受注高(埋め立て工事を除く)の暫定値が505億シンガポール・ドル(約6兆2,620億円、Sドル、1Sドル=約124円)となり、前年比で13.2%増加したと発表した。同庁は、2026年の建設受注高について「470億~530億Sドル」と見込んでいる。短中期的には、チャンギ空港第5ターミナル(T5)の開発や、統合型リゾート(IR)であるマリーナベイ・サンズ(MBS)の拡張工事といった大型プロジェクトが建設受注を牽引する見通しだ。

2025年の建設受注高を分野別でみると、公共施設・その他が161億Sドルと最大の割合を占めた(添付資料図1、2参照)。主な公共施設の工事には、T5の基礎工事とトンネル工事、マレーシアとの国境に位置するウッドランドの税関施設拡張工事、南西部トゥアス港のインフラ工事などがあった。次いで公共住宅(95億Sドル)、土木工事(93億Sドル)が続いた。

2026年の建設受注高見込みを分野別でみても、T5関連工事など公共施設・その他が135億~153億Sドルと、最大の割合を占める見通しだ。土木工事(116億~134億Sドル)、公共住宅(62億~68億Sドル)が続くと予想している。また、BCAは2027~2030年には建設受注高が390億~460億Sドルで推移すると見込んでいる。

同国では、T5(2025年5月16日記事参照、完成予定:2030年半ば予定)の建設を筆頭に、トゥアス港(2022年9月7日記事参照、同2040年代)の建設や統合型リゾート(IR)のMBSの増設工事(2024年2月5日記事参照、同2030年)のほか、ウッドランド陸路出入国施設の再開発(2028年から段階的に運用開始)など、大型建設プロジェクトが相次いでいる。

チー・ホンタット国家開発相は1月22日のイベントで、建設受注高が堅調なことについて、「これまでのやり方を続ければ、必要な資源が足りなくなる。建設業界が新たな成長機会を獲得する能力にも打撃を与える」と警告した。その上で、「時間、経費の削減、省力化のための変革の推進が必要だ」と強調した。同相は、中小建設会社の生産性向上を目的としたテクノロジー導入のための「生産性ソリューション補助金(PSG)」への追加補助や、「コラボラティブ契約(注)」の導入など変革のための一連のイニシアチブを発表した。

(注)コラボラティブ契約は、発注者、設計者、請負者など全ての利害関係者の間で、コスト削減の還元や超過コストの共有など情報共有を通じて問題解決をする枠組み。BCAは2024年から実験的に導入している(2024年1月19日記事参照)。

(本田智津絵)

(シンガポール)

ビジネス短信 55db8c5cd0371419