英政府、グリーンランドめぐる追加関税で米国と協議継続、報復関税は否定
(英国、米国、グリーンランド、デンマーク)
ロンドン発
2026年01月20日
米国のドナルド・トランプ大統領が1月17日、英国を含む8カ国からの輸入品に対し2月1日から10%の追加関税を課すとSNS上で表明したこと(2026年1月20日記事参照)を受け、英政府のキア・スターマー首相は1月19日、ロンドンで緊急記者会見
を開いた。
会見でスターマー首相は「グリーンランドの将来の地位に関するいかなる決定も、グリーンランドの人々とデンマークのみに帰属する。この基本的な権利を英国は支持している」と強調した。その上で、「デンマークは英国および米国の同盟国であり、NATO加盟国として過去数十年にわたり共に戦ってきた」と述べ、「同盟関係が長く続くのは、圧力ではなく、尊重とパートナーシップの上に築かれているからだ」「同盟国に対する関税措置は完全に誤りだ」と指摘した。
また、スターマー首相は「英国はグリーンランド問題について、NATOを通じて、同盟国とともに全面的に貢献する用意がある」と表明した。1月18日にはトランプ大統領や欧州首脳陣、マルク・ルッテNATO事務総長と電話協議を行い、解決策について議論したことを明らかにした。
報道によると、英国が米国に対し報復関税を課す可能性について記者から問われると、同首相は、「関税戦争は誰にとっても利益にならない」「その段階に至っていない」と述べ、否定した(「BBC」1月19日)。
野党側からはスターマー首相の対応について、一定の支持する声が上がっている。保守党のジェレミー・ハント議員は自身のSNSに、「グリーンランド問題に関しては彼の冷静なアプローチを支持する」と投稿、「NATO同盟国の主権がレッドラインではないとしたら、何がレッドラインなのか。しかしこの危機は公でのスタンドプレーよりも、断固とした私的な議論によって解決できる可能性が高い」と続けた。右派政党リフォームUKのナイジェル・ファラージ党首は「今週、米国政府高官に対し、『親友をこのように扱うべきではない』と伝える予定だ」と語った(「BBC」1月19日)。一方、自由民主党のエド・デービー氏は英国政府の対応について「弱腰だ」と批判した上で、「トランプ氏の脅威に対して同盟国と団結すべきだ」と自身のSNS上で指摘した。
(森詩織)
(英国、米国、グリーンランド、デンマーク)
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