東京国際映画祭で「トルコのドラマリメイク市場」セミナーを開催
(トルコ、日本)
イスタンブール発
2025年12月05日
ジェトロは10月29日、東京国際映画祭(TIFF)のコンテンツマーケットTIFFCOM
にて、公益財団法人ユニジャパンとの共催でトルコのドラマ市場をテーマとするセミナー「トルコにおけるリメイクドラマのトレンドと日本ドラマの可能性」を開催した。TIFFCOMにおいて、トルコのドラマリメイク関連のセミナーは初めての開催となる。
同セミナーには、トルコのライセンス会社「HECE Medya」の創業者ジェレン・エルゲネコン氏、TBS・グローバルビジネス局グローバル営業開発部部長の深井純氏、読売テレビ(YTV)・コンテンツ戦略局コンテンツセンターの村越威史氏が登壇した。
HECE Medyaのジェレン氏は「トルコは世界第3位のドラマ輸出国であり、東西文化を融合した普遍的テーマと強い感情表現が魅力」と述べ、ドラマ産業におけるトルコの強み、トルコでのリメイクから作品が世界へ広がる可能性を解説。長い放送時間や、早い製作期間と放送サイクルといったトルコ市場の特徴も紹介した。トルコでのドラマリメイクについては、「Mother」「Woman」など日本ドラマのリメイク実績を紹介し、日本作品への期待を示した。トルコのドラマ作品は中南米、東欧、中東をはじめこれまで150カ国以上で販売されており、日本のコンテンツにも高い関心が集まっているという。
TBSの深井氏は、東アジアをはじめとする海外での自社作品のリメイク実績を紹介するとともに、アジア発の知的財産(IP)への親和性や、国際市場でのハブ機能に注目し、トルコを重点地域の1つとして選定した背景を解説。制作慣習やドラマのテーマを重視し、販路拡大や共同制作を進める方針を示した。
読売テレビ(YTV)の村越氏は、トルコから中東や南米への展開といった国際展開に注目し、ドラマだけではなくノンスクリプテッド・フォーマット(台本なしの形式)を含めた可能性を紹介。表現手法の違いやテーマを重視し、現地との連携を通じたさらなる国際展開の可能性を解説した。
パネルディスカッションでは、トルコと日本の文化的背景、制作慣習の違いを課題としつつ、トルコを起点とする日本ドラマのグローバル展開について各社が期待を表明した。ドラマ展開に関しては、「家族愛」「女性」といったテーマが人気、と各社よりコメントがあった。さらに、リメイクの新たな可能性として、漫画や小説を原作とするドラマ、アニメ作品のトルコ向け販売にも期待が寄せられた。同時に、権利問題や翻訳の精度といった課題にも言及。登壇各社は、トルコで開催された日本ドラマのリメイクピッチへの参加経験も紹介した。
なお、ジェトロは2023年度から日本ドラマのリメイクピッチを開催している(2024年2月8日記事、10月3日記事、2025年6月9日記事参照)。
セミナーの様子(ジェトロ撮影)
(エミネ・ギョンジュ、遠藤誠吾)
(トルコ、日本)
ビジネス短信 bcf59224128d736b




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