日本ドラマを売り込むピッチイベントを開催

(トルコ、日本)

イスタンブール発

2024年02月08日

ジェトロは1月27日に、日本ドラマをリメークするためのオンラインピッチイベント「ジャパン・コンテンツ・ピッチ・イン・トルコ(Japan Content Pitch in Turkey)」をトルコで初めて開催した。当日は、日本のテレビ局8社が参加し、トルコの大手テレビ局、ドラマ制作会社、OTTプラットフォーム(注)など7社に対し売り込んだ。

【ピッチ作品】

  • 「10の秘密」(関西テレビ放送)
  • 「VIVANT」(TBSテレビ)
  • 「同窓会〜ラブ・アゲイン症候群」(テレビ朝日)
  • 「アノニマス~警視庁”指殺人”対策室~」(テレビ東京)
  • 「愛してたって、秘密はある。」(日本テレビ)
  • 「silent」(フジテレビ)
  • 「ブラックファミリア~新堂家の復讐」(読売テレビ)
  • 「ミヤコが京都にやって来た!~ふたりの夏~」(ABC放送)

イベントは、前半に各社からドラマのトレーラー(PR動画)の放映や作品の概要・魅力を語るピッチセッションを行い、後半にはトルコ企業と日本企業間での個別商談の時間を設ける2部構成で実施した。参加したトルコのドラマ制作会社からは、「新しい作品は常に探している。日本には興味深いユニークな作品が多く、期待している」とのコメントが聞かれた。

トルコは、米国に次ぐ世界2位のドラマ輸出国といわれるコンテンツ大国だ。トルコ国内で制作されたドラマは150カ国以上に輸出されている。国内市場の競争は激しく、年間100本以上のドラマが放送される中で成功するのはわずか1割以下ともいわれている。より優れた脚本が求められることから、2013年ごろから海外ドラマのリメークが多く見られるようになった。近年では日本ドラマへのバイヤーの関心も高まりをみせており、過去には日本テレビのドラマ「マザー(Mother)」がトルコでリメークされて大ヒットし、最終的に世界50カ国で放送されたケースもある。

日本とトルコのドラマの大きな違いの1つが、話数と1話あたりの放映時間だ。日本では1話60分、10話前後で完結する作品が多いのに対し、トルコでは1話120分、20話以上が通常で、ヒットすればさらに50話、60話と続いていく。そのため、トルコの地上波放送のドラマ枠に日本の作品をそのまま当てはめることは難しい。リメークは、作品の根幹である原作のテーマや世界観を基軸に置きつつ、現地の文化や価値観のエッセンスを加味して話を広げ、現地の視聴者層に受け入れられやすい作品にする。ドラマ輸出が盛んなトルコ国内でリメーク作品がヒットすれば、さらに第三国へ輸出され、グローバル展開も期待できる。

(注)Over The Topの略称で、インターネット回線によってアクセスできるコンテンツ配信サービスの総称。

(友田椋子)

(トルコ、日本)

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