トルコで日本ドラマのリメークピッチ開催
(トルコ、日本)
イスタンブール発
2025年06月09日
ジェトロは5月23日、トルコのイスタンブール商業会議所(ITO)との共催で、日本ドラマのトルコでのリメーク促進を目的とする「ジャパン・コンテンツ・ピッチ」をイスタンブール市内で開催した。日本からはテレビ局6社が参加し、各社がトルコのドラマ制作会社、テレビ局、OTTプラットフォーム(注)など、コンテンツ業界関係者へ作品をPRした。
トルコは世界有数のドラマ制作・輸出大国で、2024年の輸出先は約200カ国・地域、収益は5億ドルを超えるとみられている。主な輸出先の中東や南米、欧州でも高い人気を誇っており、トルコでのドラマリメークは第三国を含む新たな市場獲得につながる可能性を秘める。開会あいさつをしたITO役員のミュニル・ウストゥン氏は「コンテンツ部門は今やトルコの重要産業だ」と述べ、ドラマ産業はトルコの一大文化産業として成長を続けている。
イベントは、参加日本企業によるドラマ作品の個別ピッチと、トルコ企業との商談会で構成された。トルコ企業は約30社が参加し、ピッチ作品をはじめとする日本のドラマコンテンツのリメークの可能性について、活発な商談が行われた。
(左)ITO役員のミュニル・ウストゥン氏による開会のあいさつ、(右)商談会(ともにジェトロ撮影)
トルコでのリメークは家族、恋人、歴史などをテーマとするメロドラマが多い中、参加企業からは「リメークの可能性を探るに当たり、現地の文化や、受け入れられやすいテーマ、ストーリー構成を関係者と直接話すことができた」といったコメントがあった。
このイベントは2024年1月(2024年2月8日記事参照)、2024年9月(2024年10月3日記事参照)に続く日本ドラマのピッチイベントとなった。過去のイベントへの参加を契機に、リメークに向けて商談が続いている例もあり、今後の進展が期待される。
トルコでは「Kadın(カドゥン)」(リメーク元の作品「Woman」)、「ANNE(アンネ)」(同「Mother」)といった日本ドラマのリメーク作品がヒットした実績があり、日本ドラマ作品への関心も高い。ドラマ作品の有望な輸出先として、引き続きトルコに注目が集まる。
(注)Over The Topの略称で、インターネット回線によってアクセスできるコンテンツ配信サービスの総称。
(遠藤誠吾)
(トルコ、日本)
ビジネス短信 109f744a3f81afcf