アジアベルリンサミット開催、大阪・関西万博も振り返る

(ドイツ、日本、アジア)

ベルリン発

2025年12月16日

ドイツのベルリンとアジアのスタートアップ・エコシステムをつなぐ「アジアベルリンサミット」が11月24~28日にベルリンで開催された。今回のテーマは多様性とイノベーションで、主催者によると、赤の市庁舎で行われた本会合には1,375人が来場し、123社が出展したほか、ベルリン市内で31のサテライトイベントが開催された。アジアをはじめ60カ国・地域以上からの参加があった。

カイ・ベーグナー・ベルリン州首相とプラモノ・アヌン・ジャカルタ特別州知事(インドネシア)、ドイツ連邦経済協力・開発省政務官のベアベル・コフラー博士らが参加し、開幕。スマートシティやデジタル分野での協業に対する期待が述べられた。観光分野のモビリティのプラットフォームを手掛けるベルリン発スタートアップでユニコーンのOMIO外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますも登壇し、アジアでのさらなる展開に意欲的な姿勢を見せた。

志野光子・駐ドイツ日本大使は、連邦外務省のフランク・ハルトマン・アジア太平洋総局長とアジアベルリンサミットの創設者でベルリン州政府のデジタルインフラ責任者ライナー・ザイダー博士とのパネルディスカッションに登壇。スタートアップ支援を通じ、ライフサイエンスやモビリティ、人工知能(AI)、データなど、さまざまな分野で協力できるポテンシャルがあること、また国を超えたクリエーティブでイノベーティブな交流が重要と述べ、日EU経済連携協定(EPA)の期待などについても意見交換した。

また、東京都スタートアップ戦略推進本部プロモーション推進部長の鈴木のり子氏が、公共部門に関するパネルディスカッションに登壇し、SusHi Tech Tokyo 2026外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますをPR。ドイツやアジアのスタートアップから関心が寄せられた。アジアベルリンアンバサダーの1人でクロスビーの最高経営責任者(CEO)の山本知佳氏も登壇し、日本のエコシステムとの連携を呼びかけた。

写真 本会合の様子(Asia Berlin Forum提供)

本会合の様子(Asia Berlin Forum提供)

11月26日には、日独産業協会(DJW)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますがベルリン州とブランデンブルク州、日本をつなげるサテライトイベントを実施し、2025年日本国際博覧会(大阪・関西万博)を振り返った。連邦経済・エネルギー省次長のドロテア・シュッツ博士は、「循環経済(サーキュラーエコノミー)」をテーマに掲げたドイツパビリオンのコンセプト「わ!ドイツ」〔循環の「環(わ)」、調和の「和(わ)」、感嘆の「わ!」〕をパビリオン来場者に提唱できた、と述べた(2025年5月26日記事参照)。

ブランデンブルク州政府は、9月の大野元裕埼玉県知事のブランデンブルク州訪問を機に交流が進んでいることなどを紹介した。ジェトロはベルリン州政府や連邦機関が大阪・関西万博とGlobal Startup Expo(GSE)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますにあわせてミッションを派遣し、グリーンやデジタル分野での企業間の協業に向けた対話が進展していることを紹介した(2025年10月16日記事参照)。

写真 日独で万博を振り返り(ジェトロ撮影)

日独で万博を振り返り(ジェトロ撮影)

(小菅宏幸)

(ドイツ、日本、アジア)

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