ベルリンで循環経済と大阪・関西万博のPRイベント開催、スタートアップも積極的に交流
(ドイツ、日本)
ベルリン発
2025年05月26日
在ドイツ日本大使館は5月15日、ベルリンの大使公邸で循環経済および大阪・関西万博のPRイベント「WA!JAPAN Designing Future Society for Our Lives – Mini Exopo in Germany -」(プログラムは添付資料参照)を主催した。大阪・関西万博で自社パビリオンを形成する企業を含む日本企業20社が出展・参加(うち1社はオンライン中継)し、事業紹介・パネルディスカッションの後、ドイツ各地の産業界や政府関係者など総勢約200人が交流した。
冒頭、志野光子・駐ドイツ日本大使とドイツ連邦経済・エネルギー省(BMWE)次長のドロテア・シュッツ氏のあいさつの中で、大阪・関西万博で「循環経済(サーキュラーエコノミー)」をテーマに掲げるドイツパビリオンのコンセプト「わ!ドイツ」が強調された。「わ!」には循環の「環(わ)」、調和の「和(わ)」、感嘆の「わ!」の3つの意味が込められており、万博が日本とドイツの交流の好機となる期待が高まった。
パネルディスカッションでは「未来における社会」「モビリティー&デジタルネットワーク」「エネルギー」というテーマで、日独産業協会(DJW)のアンネ・ポムゼル事務局長のモデレーションにより、事業の紹介や意見交換が行われた。
その後、日本企業が各社のブースで参加者と交流したほか、BMWEが独自のブースで大阪・関西万博内のドイツパビリオンを紹介。ベルリン日独センター(注1)、日本政府観光局(JNTO)、ジェトロもブースを設けて各組織の事業を紹介し、事業連携や誘致などに取り組んだ。
本イベントに参加したドイツのスタートアップは、大阪・関西万博を機にJ-Bridge(注2)を活用しながら日本企業との個別商談にも取り組み、地域を越えたイノベーションを促進する「日独イノベーション」の実現に積極的だった。たとえば、ライプチヒにある認知脳科学分野のマックスプランク研究所から起業したスタートアップで、フィットネスやリハビリテーション向け音楽アプリケーションを手掛けるJYMMiN
(ジミン)は、「当社は大阪・関西万博のドイツパビリオンに参加するにあたって、今回のイベントは非常に良い機会になった」と述べた。顔面まひのリハビリのために開発された顔の筋肉を動かすことを手助けする同社アプリは、5月17日に大阪・関西万博のドイツパビリオンで披露されており、会期中、来場者は体験することができる。
万博期間中における、ドイツのナショナルデーは6月20日に開催される。
イベントで紹介されたドイツパビリオンのマスコットキャラクター「サーキュラー」(ジェトロ撮影)
(注1)同センターは、1985年に当時の中曽根康弘首相とヘルムート・コール・西ドイツ首相のイニシアチブで「知的出会いの場」として創設。
(注2)日本企業とスタートアップなどの海外企業の国際的なオープンイノベーション創出のためのビジネスプラットフォーム。
(小菅宏幸)
(ドイツ、日本)
ビジネス短信 d14577be5bcb5a98