サウジアラビア産業・鉱物資源省とKAUST、製造業向け技術展開プログラムを発表

サウジアラビア産業・鉱物資源省は12月23日、キング・アブドゥッラー科学技術大学（KAUST）と協力し、産業部門支援イニシアチブを通じた国内産業振興の継続的取り組みの一環として、「Technologies for Exceptional Transformation（卓越的変革のためのテクノロジー）」を発表した。

このイニシアチブは、サウジアラビア国内の製造業でKAUSTの先端技術をより早く、広く活用できるようにすることを目的としている。製造企業、KAUSTの研究、世界のテクノロジー企業を結びつけ、学術界と産業界の間で知識共有や協働、イノベーションの促進を図る内容となっている。

参加企業はKAUSTの技術を活用して事業を成長させることが可能で、競争力強化、イノベーション推進、高付加価値製品の生産拡大といった効果が期待できる。対象は、サウジアラビア国内で法人登記されており、国家産業戦略の優先分野で事業を行う製造企業とされ、応募には技術的課題やイノベーションに対するニーズの提示に加え、技術導入の成果を示すための財務指標やイノベーション指標を共有する意思が求められる。

同省は、この取り組みを通じて、大学と企業の協力を強化し、革新的技術の開発と活用を加速させる方針を示した。また、次世代技術を活用した競争力向上や、国家改革戦略「ビジョン2030」に沿った高付加価値の経済活動の創出にもつなげる姿勢も強調した。

参加を希望する製造企業は、「Technologies for Exceptional Transformation（TET）」から申請することができる。

（林憲忠）