セミコン・ジャパンで欧州の半導体エコシステムを紹介

(EU、ドイツ、英国、日本)

ベルリン発

2025年12月25日

ジェトロは12月17日、東京ビッグサイトで開催された半導体展示会「セミコン・ジャパン(SEMICON Japan)2025」会場内でセミナー「欧州半導体エコシステムの今-EU・欧州主要国の政策・技術トレンドと日本との協業可能性-」を開催した。ジェトロの河田美緒理事がモデレーターを務め、駐日欧州連合代表部外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますのデジタル経済政策担当公使参事官のピーター・ファテルニグ氏、英国のイノベートUK外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますの半導体分野イノベーションリードのジャン・テイラー氏、ドイツ南部のバイエルン半導体アライアンス外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます代表のユルゲン・フリッキンガー氏と東部のザクセン州経済振興公社外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますの半導体・マイクロエレクトロニクス分野シニアプロジェクトマネージャーのパスカル・ミゾフ氏が登壇した。

冒頭ファテルニグ氏は、EUの半導体産業は「変化の始まり」にあるとし、今年9月にEUで発表された欧州半導体法の再強化の方向性外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますに基づき、人材育成や半導体製造に対する800億ユーロの投資を計画的に進めていくと述べた。台湾積体電路製造(TSMC)と欧州企業との合弁会社ヨーロピアン・セミコンダクター・マニュファクチャリング・カンパニー(ESMC)やインフィニオン、STマイクロエレクトロニクス(STM)、ボッシュ、imecなどが域内で進める生産や研究プロジェクトを挙げ、中小企業と大企業が一体となってエコシステム形成を推進し、サプライチェーンの強靭化のため、共通の価値観を持つ日本との協業を目指していくとした。

テイラー氏は、英国ワイドでの学術機関との連携も重要とし、外国からの投資や国際協業を推進するUKセミコンダクターセンター外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますを紹介した。フリッキンガー氏は、バイエルン半導体アライアンスではモビリティーや人工知能(AI)、人材開発を総合的に進めており、特定分野のキーパーソンに直接つなげることができる点を強調した。

ミゾフ氏は、ザクセン州内では欧州の半導体チップの3分の1が生産され、TSMC/ESMC(2025年4月17日記事参照)との相乗効果にも期待できることを訴求した。なお、同州では2026年6月に「第20回シリコン・ザクソニー・デイ外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます」を開催し、世界有数の半導体のエコシステムビルダーが参加予定だ(2025年6月24日記事)。

写真 左からフリッキンガー氏(バイエルン半導体アライアンス)、ミゾフ氏(ザクセン州経済振興公社)、テイラー氏(イノベートUK)、ファテルニグ氏(駐日欧州連合代表部)、河田理事(ジェトロ撮影)

左からフリッキンガー氏(バイエルン半導体アライアンス)、ミゾフ氏(ザクセン州経済振興公社)、テイラー氏(イノベートUK)、ファテルニグ氏(駐日欧州連合代表部)、河田理事(ジェトロ撮影)

(小菅宏幸)

(EU、ドイツ、英国、日本)

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