ドレスデンで世界の半導体クラスターが集結、対日事業拡大にも意欲
(ドイツ)
ベルリン発
2025年06月24日
欧州有数の半導体クラスターのシリコン・ザクソニー(Silicon Saxony)(2024年12月13日付地域・分析レポート参照)は6月17日、ドイツのドレスデン国際空港内で「第19回シリコン・ザクソニー・デイ」を開催した。半導体市場における多様な技術を提供する企業同士のネットワーキングを目的に600人以上が参加するこのイベントにおいて、今回はドイツや英国、オランダ、フランス、チェコなど欧州のみならず、米国や台湾なども含めた国・地域から参加があった。会場では、人工知能(AI)と自律制御システム、クラウドとサイバーセキュリティー、デジタルツインなど、さまざまなテーマに関するセッションが同時進行し、専門家や企業間の交流が活発に行われた。
オープニングセレモニーの様子(シリコン・ザクソニー提供)
スポンサーには、ザクセン州経済振興公社をはじめ、インフィニオン・テクノロジーズ、台湾積体電路製造(TSMC)が立ち上げた合弁会社ヨーロピアン・セミコンダクター・マニュファクチャリング・カンパニー(ESMC)(2025年4月17日記事参照)、X-FABなど、ドレスデン国際空港周辺に製造拠点をもつ半導体の大手企業が名を連ね、テクセンド・フォトマスク・ジャーマニーをはじめ日系企業も複数社がスポンサーとして参加した。
会場の様子(シリコン・ザクソニー提供)
会場内に設けられたRegions Islandコーナーでは、英国のテック・ワークス(Tech Works)やジェトロが覚書を結ぶ米国のニューヨーク・クリエイツ(NY CREATES)、在台湾ドイツ商工会議所、ジェトロなど世界の14の国・地域の投資誘致機関、商工会議所、研究所などが出展し、各地の半導体エコシステムについてピッチ形式で来場者に紹介した。東京で毎年開催される展示会セミコンジャパンなどの機会を見据え、対日事業拡大に意欲を見せる企業も見られた。
当日は半導体分野の研究をする学生の参加も多く、インターンや留学、就職先を探すドレスデン近郊の大学の学生たちが世界とつながる貴重な場としても活用していた。
ジェトロブースの様子(ジェトロ撮影)
ジェトロブースでは、セミコンジャパンや日本国内での次世代半導体量産を目指すラピダス、TSMCの進出により関連企業の関心が高い熊本など、日本のエコシステムを紹介した。
2026年は節目の20回目ということもあり、2026年6月15~17日の3日間の開催が予定されている。
なお、ザクセン州経済振興公社は半導体や電子工学分野のドイツ企業を公募し、2025年10月1~3日に大阪・関西万博のドイツパビリオン(2025年5月26日記事参照)や東京を訪れ、企業やクラスターとの交流を実施する予定だ。
(小菅宏幸、打越花子)
(ドイツ)
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