中国、新たな消費促進策発表、消費財産業でAIの全面的活用を推進
(中国)
北京発
2025年12月04日
中国の工業情報化部、国家発展改革委員会、商務部など6部門は11月26日、「消費財の供給と需要の適合性を高め、消費を一層促進するための実施
プラン」を発表した。同プランでは、2027年までに、3つの1兆元(約22兆円、1元=約22円)規模の消費分野と10分野の1,000億元規模の消費ホットスポット(注)を形成し、2030年までには、供給と消費の好循環による質の高い発展を実現し、経済成長への消費の寄与率を着実に高めるとの目標が挙げられている。
同プランでは、(1)新しい技術や新しいモデルによる消費の創出、(2)特色ある製品・新製品の供給拡充、(3)多様な世帯のニーズに対応した製品供給の強化、(4)新しい消費シーン・新業態の育成、(5)消費環境の整備、という5分野、19項目の措置が盛り込まれている。
(1)では、インテリジェント・コネクテッド・新エネルギー車、スマートホーム、コンシューマーエレクトロニクスなどの重点分野において、代表的な製品や初期導入モデルケースを創出するほか、柔軟な生産やカスタマイズ生産といった新たな製造モデルを普及させる。また、生成AIや3Dデジタル設計などの活用を普及し、消費財産業のあらゆる分野、あらゆるプロセスにおいて、人工知能(AI)の導入を推進する。特に、家庭用サービスロボットやAI搭載のインテリジェント製品の開発が奨励されている。
(2)では、グリーン・低炭素消費の促進、農村部の生活環境に適した製品の開発、スポーツ・レジャー、ヘルスケア分野などにおける供給の強化に取り組む。また、ペット、アニメ、ファッションアイテムなど趣味・嗜好分野や、低空ツーリズム・プライベートフライトなど、低空域を活用した消費分野の供給を拡大する。
(3)では、乳幼児向けの食事用品・ケア用品、外出用品、知育玩具などを展開し、環境配慮型素材や安全性の高い新素材を活用した製品開発を加速させるほか、視力や姿勢を守る機能を持つ文房具や、電子ノートなど学生向けの製品開発を加速させる。また、高齢者向けに、介護ロボットや健康モニタリング機器といった必需品に加え、生活の質を向上させる快適な衣料品などの供給を拡充する。
中国共産党第20期中央委員会第4回全体会議(4中全会)で採択された「国民経済と社会発展の第15次5カ年規画」の制定に関する共産党中央委員会による建議では、消費促進や強大な国内市場の構築などが挙げられている(2025年10月27日、2025年10月31日記事参照)。
(注)工業情報化部の謝遠生副部長は11月27日に開催された国務院の政策ブリーフィングで、3つの1兆元規模の消費分野として、高齢者用品、インテリジェント・コネクテッド・ビークル(ICV)、コンシューマーエレクトロニクスが挙げられ、10分野の1,000億元規模の消費ホットスポットとしては乳幼児用品、スマートウェアラブル製品、化粧品、フィットネス機器、アウトドア用品、ペットフード・用品、民生用ドローン、トレンディな玩具、ジュエリー・アクセサリー、国産ブランドファッションが含まれると説明した。
(張敏)
(中国)
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