ベカメックス東急、ビンズオン新都市の商業施設の拡張エリアを開業

(ベトナム)

ホーチミン発

2025年12月17日

東急の子会社であるベカメックス東急は12月6日、ベトナム南部ホーチミン市(注1)で開発が進む「ビンズオン新都市」で、商業施設「ミドリパーク・スクエア」の拡張エリアの開業式を実施した(2025年5月29日記事参照)。開業式はテナント関係者らが出席し、ベカメックス東急の西村怜央執行役員は「拡張によって、ミドリパーク・スクエアが暮らしの質を高める新たなライフスタイルの拠点となり、新都市の魅力がさらに高まる」と述べた。

ミドリパーク・スクエアの敷地面積は約1万9,000平方メートルで、拡張により店舗面積は2019年開業時の約1,000平方メートルから5倍の約5,000平方メートルとなった。拡張した商業エリアには、ビンズオン新都市2号店となる「イオン食品スーパー」を始め、ベトナムのカフェチェーンのフックロンやコンカフェが11月末に相次いでオープンした。12月以降は、ハンバーガーチェーンのロッテリア、クラフトビールブランドのセブンブリッジズ、日系クリニックのチームブルークリニックが順次オープンする予定だ。拡張エリアには、地域のにぎわいづくりや交流の場となる「イベントスクエア」(敷地面積約1,336平方メートルの屋外芝生広場)が新設された。同広場では12月6日の拡張エリアの開業式にあわせて「第7回ビンズオンクラフトビアフェスティバル」が開催され、多くの来場者でにぎわった。

ビンズオン新都市では、商業施設とともに住宅の開発と公共交通の整備も進む(添付資料表1、2参照)。ベカメックス東急はミドリパーク・スクエア周辺で住宅開発を計画的に推進し、分譲マンションは2024年に竣工したザ・グローリーに続き、2026年にザ・テン、2027年にザ・ネストがそれぞれ竣工(しゅんこう)を予定している。

ベカメックス東急バス(注2)はビンズオン新都市の中心地区を出発する路線の1つを、2025年7月から「新ミエンドンバスターミナル」まで延伸して運行している。同バスターミナルはホーチミン市都市鉄道1号線「スイティエン駅」に隣接しており、ビンズオン新都市とホーチミン中心部との移動の利便性が向上した。交通渋滞の緩和や排気ガスの削減など、環境面への効果も期待される。さらに、都市鉄道1号線は今後、スイティエン駅からビンズオン新都市までの延伸が計画されており、ホーチミン市内の交通インフラの充実が図られる。

写真 「ミドリパーク・スクエア」拡張エリアの開業式の様子(ジェトロ撮影)

「ミドリパーク・スクエア」拡張エリアの開業式の様子(ジェトロ撮影)

写真 「第7回ビンズオンクラフトビアフェスティバル」の様子(ジェトロ撮影)

「第7回ビンズオンクラフトビアフェスティバル」の様子(ジェトロ撮影)

(注1)ベトナムは政治・行政の効率化や経済発展の促進を目的として、2025年7月1日から、これまでの63省・市(6つの中央直轄市と57省)を、新たに34省・市(6つの中央直轄市と28省)に再編した(2025年7月1日記事参照)。ビンズオン新都市の整備が進められていた旧ビンズオン省は、ホーチミン市および旧バリア・ブンタウ省と合併し、ホーチミン市となった。

(注2)ベカメックス東急の子会社。ベトナムの風物詩とも言えるバイク中心の移動手段を公共交通へと転換する「モーダルシフト」を目指し、ビンズオン新都市から各所を結ぶ13の路線バス(通称「KAZE SHUTTLE」)を運行している。

(小林真龍)

(ベトナム)

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