アルバニアのインフラプロジェクトにビジネスチャンスか、ジェトロがミッション派遣
(アルバニア、西バルカン、中・東欧、日本)
ウィーン発
2025年12月02日
ジェトロは11月18~21日、西バルカンのコソボとアルバニアに日本企業11社11人で構成されるエネルギー・インフラ分野のビジネスミッションを派遣した。同地域は南東欧において経済発展の余地が大きく、EU加盟に向けて特にインフラとエネルギー分野で大規模な投資が必要とされている。日本企業にとってもビジネスチャンスが期待される。
11月19日、コソボでのプログラム(2025年12月2日記事参照)終了後に、ミッション団はバスでコソボ西部のプリズレン市からアルバニアの首都ティラナへ移動した。道中では、高速道路の良好な整備状況が確認できた。
同日夕方には、アルバニアのエディ・ラマ首相への表敬訪問が行われた。2025年9月に4期目の政権を発足させたラマ首相は(2025年9月29日記事参照)、アルバニアの西バルカンにおける優位性を強調し、日本企業の投資を歓迎するとともに、個人的にも協力する意向を示した。
エディ・ラマ首相との集合写真(ジェトロ撮影)
11月20日には、ティラナ市内で「第1回日アルバニア・ビジネス・フォーラム」が開催され、両国の政府・企業関係者約80人が出席した。デリナ・イブラヒマイ経済・イノベーション相、加藤喜久子駐アルバニア日本大使、エルマル・ムチャ駐日アルバニア大使、ローラ・サロ・アルバニア投資促進庁(AIDA)長官によるあいさつに続き、アミ・コゼリ・インフラ・エネルギー副大臣、ベスヤン・カディウ・インフラ・エネルギー副大臣、エンケレイド・ムサベリウ経済・エネルギー副大臣らが、同国が抱える課題を説明した。また、保護区庁長官や、ティラナ市の戦略企画・経済発展課や水道・下水道公社の担当者が環境関連の課題について発表した。日本側からは、ミッション参加企業が自社事業のプレゼンテーションを行った。在アルバニア・日本商工会議所のアブニ・ポナリ会頭、ミッション団長の石原圭昭ジェトロ海外ビジネスサポートセンター部長による閉会あいさつの後、ネットワーキングランチと商談会が実施された。
イブラヒマイ経済・イノベーション相のあいさつ(左)と副大臣らの発表の様子(右)(ともにジェトロ撮影)
午後には、アルバニア政府が運営するスタートアップ支援機関「スタートアップ・アルバニア」のアリャン・イメリ所長が、同国のスタートアップ・エコシステムについて説明した。アルバニアには約2万1,000人のIT専門家がおり、数百の企業からなる非常に活発なスタートアップシーンがある。
夕方には、エリサ・スピロパリ欧州・外務相への表敬訪問が行われ、同相はアルバニアと日本の友好関係を強調し、インフラ分野で莫大(ばくだい)な投資が必要なプロジェクトの例としてティラナ地下鉄建設を挙げた。
最終日の11月21日には、バスでアドリア海沿岸のドゥラス市に移動し、港湾施設を視察した。港湾管理局では、ドゥラス港の現状と近隣のポルト・ロマノ貨物港の建設計画について説明を受けた。ポルト・ロマノ港は、南アドリア海最大の貨物港として、西バルカン地域の物流拠点になると見込まれている。
港湾管理局での説明会の様子(ジェトロ撮影)
(エッカート・デアシュミット)
(アルバニア、西バルカン、中・東欧、日本)
ビジネス短信 300f24613f10fdd9




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