英国における日本食品ビジネス拡大に向け意見交換会を開催
(英国、EU、日本)
ロンドン発
2025年12月12日
在英国日本大使館とジェトロは12月3日、ロンドンで「英国の日本食品企業意見交換会」を開催した。英国に拠点を置く日本食品メーカー、輸入卸、商社、外食事業者など約60人が参加し、農林水産省、ジェトロ・ロンドン事務所、在英国日本大使館、農林中央金庫から、英国での食品ビジネス展開にあたっての支援策、規制・税制、市場概況などの情報提供を行った。
EU離脱(2020年)以降、英国とEUの規制の差異が拡大しており、企業は、英国とEU両方の動向を注視しながら規制の変化に対応する必要に迫られている。また、日本食が英国文化の一部になりつつあるほど定着しているものの、日本からの輸出拡大や日本企業の利益に十分結び付いていない現状がある。こうした課題の解決に向け、今後、在英国日本大使館とジェトロが連携し、情報共有・意見交換の場を継続的に設けていく。本会合はその第1弾。
当日、日本からオンラインで参加した、農林水産省輸出・国際局長の杉中淳氏のあいさつに続き、同省海外需要開拓グループ長の小宮恵理子氏が、農林水産物・食品輸出支援プラットフォームの事例を紹介した。続いて、ジェトロ・ロンドン事務所の林伸光ダイレクターと在英国日本大使館参事官の氷熊光太郎氏はそれぞれ、食品包装規制における英国とEUの差異、英国の秋季予算案(2025年12月2日記事参照)における食産業関連税制について説明した。
また、農林中央金庫シニアマネジャーの米丸健太郎氏による英国の食産業をめぐる市場概況の説明は、参加者の関心を多く集めた。英国の外食産業は、プライベートエクイティ(PE)/ベンチャーキャピタル(VC)ファンドが関与してスケールアップすることが多いことを説明。農林中央金庫では、日本の農業生産者の輸出や外食事業者の海外展開を支援するため、農業生産者などへの資金供給に加え、輸出先やパートナーの紹介、提携金融機関やPE/VCファンドとの協業など、他産業とも関わりの深い金融機関ならではの多様な手法を組み合わせた支援を行っていることが紹介された。
同意見交換会についてのアンケートでは、食品メーカー間の情報共有や、外食事業者向けの情報提供を求める声があり、今後、年2回程度のセミナー形式に加え、業種や品目別の分科会を開催していく予定。
意見交換会の様子(ジェトロ撮影)
(林伸光)
(英国、EU、日本)
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