広汽がホンダ、ホンダ中国と約3.3億ドルの増資契約

(中国)

武漢発

2025年11月17日

中国の広東省広州市に本社を置く広州汽車集団(広汽集団)は11月10日、広汽集団と本田技研工業(ホンダ)、本田技研工業(中国)投資(ホンダ中国)、広汽本田汽車(広汽ホンダ)との間で、増資契約を締結したと発表した。これにより、広汽ホンダの登録資本金は5億4,100万ドルから、3億2,622万ドル増額の8億6,721万5,960ドルになる。これは、広汽ホンダが東風本田発動機の50%の株式を購入し、売り主の東風汽車集団に対して11億7,248万5,400元(約258億円、1元=約22円)を支払うことが背景にある(2025年10月15日記事参照)。

各社の追加出資の方法は次のとおり。

  • 広汽集団:増資額の半分の約1億6,300万ドル相当の約11億7,249万元を払い込む。
  • ホンダ:増資額の40%の約1億3,049万ドル相当の9億3,799万元を払い込むが、東風本田発動機の持ち分の全てとなる40%の株式をこれに充当する。
  • ホンダ中国:増資額の10%の約3,262万ドル相当の2億3,450万元を払い込むが、東風本田発動機の持ち分の全てとなる10%の株式をこれに充当する。

この結果、増資完了後、広汽ホンダの持ち株比率は、広汽集団50%、ホンダ40%、ホンダ中国10%は維持されるが、東風本田発動機については、広汽ホンダが株式を100%所有することになる。

湖北省の現地メディアによると、広汽集団は今回の取引の目的について、広汽ホンダがエンジン分野での統合運営を実現するためだとしている。東風本田発動機の完全子会社化によってサプライチェーンの安定性と自主性を高め、関連取引コストを削減すると同時に、コア部品生産の管理効率を向上させると表明した。また、自動車業界関係者はメディアの取材に対し、取引完了後、東風本田発動機は広汽集団の連結財務諸表で持ち分法適用範囲に組み込まれ、広汽集団のスマート化・電動化転換により、強固な部品供給基盤を提供すると述べた。これにより、広汽集団は業界変革の中で戦略的転換をより効果的に実現し、市場競争力を高めることが可能になるという(「長江商報」11月12日)。

(高橋大輔)

(中国)

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