モロッコ政府、メクネス・アグロポリスに新たな産業加速ゾーン設置
(モロッコ)
ラバト発
2025年11月11日
モロッコ政府は10月30日の閣議において、メクネス県シディ・スリマーヌ・ムール・アル・キファンに位置するメクネス・アグロポリス
(注1)内に産業加速ゾーン(Zone d'Accélération Industrielle:ZAI、注2)を創設する政令を正式に採択した。地域の経済的魅力を高め、投資促進と付加価値の高い分野での熟練雇用創出を目的としている。
フェズ=メクネスの地方投資管理センター(Centres Régionaux d’Investissement:CRI)によると、産業加速ゾーンの設置などにより、メクネス・アグロポリスの総面積は423ヘクタールに拡大する予定で、拡大面積の内訳は次のとおり。
- アグロポール拡張部分:116ヘクタール
- 産業加速ゾーン:100ヘクタール(うち30ヘクタールは自動車産業向け)
- 物流ゾーン:30ヘクタール
- メクネス青果卸売市場予定地:30ヘクタール
産業加速ゾーンのうち自動車産業向けの30ヘクタールは優先的に整備され、既存企業の拡張支援および新規企業の誘致を通じて、地域のモビリティ産業エコシステムの強化を図る。なお、同エリアには、日本の自動車用ワイヤーハーネスメーカーの矢崎総業などが進出している。
(注1)モロッコ政府が「Plan Maroc Vert(緑のモロッコ計画)」の一環として全国に設置した農業・食品加工産業クラスターをアグロポール(Agropôle)という。アグロポリス(Agropolis)は、地域開発・都市開発を担う国営企業であるMEDZ(Moroccan Economic Development Zones)
が開発した「アグロポール・メクネス」の商業名称。
(注2)産業加速ゾーン(旧称:フリーゾーン):1995年法律19-94号で輸出フリーゾーンの創設が規定された。その後、2020年予算法によって「産業加速ゾーン」と改称され、それに伴って税制優遇制度も変更された(ジェトロ:モロッコ制度情報「外資に関する奨励」参照)。
(鈴木優香)
(モロッコ)
ビジネス短信 f2cece03ac045581




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