FITパートナーシップ、16カ国に拡大
(シンガポール、ブルネイ、チリ、コスタリカ、アイスランド、リヒテンシュタイン、マレーシア、モロッコ、ニュージーランド、ノルウェー、パナマ、パラグアイ、ルワンダ、スイス、アラブ首長国連邦、ウルグアイ、オーストラリア、カナダ、インドネシア、ペルー、フィリピン、タイ)
シンガポール発
2025年11月25日
シンガポールなど14カ国(注)が9月に立ち上げた「投資と貿易の未来(Future of Investment and Trade)パートナーシップ(FITパートナーシップ)」の初の対面会合が11月18日、シンガポールで開催された(2025年9月22日記事参照)。
FITパートナーシップの共同プレスリリース〔シンガポール貿易産業省(MTI)プレスリリース付属資料
〕によると、同パートナーシップにパラグアイとマレーシアが加わり、参加国は16カ国となった。今回の会合には、オーストラリア、カナダ、インドネシア、ペルー、フィリピン、タイの6カ国の代表がオブザーバーとして参加した。また、ンゴジ・オコンジョ=イウェアラWTO事務局長がオンラインで参加した。
今回の会合では、モロッコ、パラグアイ、ルワンダを除く13カ国が、主要なサプライチェーンの混乱が生じた場合に、関連する必要不可欠な物資の輸出入に対する関税の削減・撤廃などに務めることなどを盛り込んだ「サプライチェーンの強靭(きょうじん)化に関する宣言」を発出した。地場英字紙「ビジネス・タイムズ」(電子版11月18日付)など現地報道によると、会合後の共同記者会見で、3カ国が加わらなかった件について尋ねられたシンガポールのガン・キムヨン副首相兼貿易産業相は、FITパートナーシップの「柔軟な形状」(flexible geometry)を示す例、と述べた。ガン副首相兼貿易産業相は会合の冒頭で、準備が整い意欲のあるメンバーが率先して特定の取り組みを進め、準備が整い次第いつでも参加できる他のメンバーにも門戸を開いたままにするシステム(柔軟な形状)を採用することにFITパートナーシップ参加国間で合意したことを明らかにしていた(MTI資料
)。
また、(1)貿易円滑化、(2)ルールに基づく貿易システムの強化、(3)通関手続きにおける現行課題解決のための技術活用、の3つの作業部会(workstream)の発足も発表された。
FITパートナーシップの立ち上げに関する協議は、ニュージーランド、シンガポール、スイス、アラブ首長国連邦(UAE)の4カ国で開始した。シンガポールがFITパートナーシップの初代調整パートナーを務め、ニュージーランドが2026年半ばにその役割を引き継ぐ。
(注)ブルネイ、チリ、コスタリカ、アイスランド、リヒテンシュタイン、モロッコ、ニュージーランド、ノルウェー、パナマ、ルワンダ、シンガポール、スイス、UAE、ウルグアイ。
(朝倉啓介)
(シンガポール、ブルネイ、チリ、コスタリカ、アイスランド、リヒテンシュタイン、マレーシア、モロッコ、ニュージーランド、ノルウェー、パナマ、パラグアイ、ルワンダ、スイス、アラブ首長国連邦、ウルグアイ、オーストラリア、カナダ、インドネシア、ペルー、フィリピン、タイ)
ビジネス短信 e4b219ba075f0a7c




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