14カ国が貿易・投資推進で新枠組み立ち上げ
(シンガポール、ブルネイ、チリ、コスタリカ、アイスランド、リヒテンシュタイン、モロッコ、ニュージーランド、ノルウェー、パナマ、ルワンダ、スイス、アラブ首長国連邦、ウルグアイ)
シンガポール発
2025年09月22日
シンガポールなど14カ国(注)は9月16日、「投資と貿易の未来(Future of Investment and Trade)パートナーシップ(FITパートナーシップ)」の立ち上げを発表した〔シンガポール貿易産業省(MTI)プレスリリース〕。MTIは「世界貿易の動向は近年、ルールに基づく貿易体制に深刻な負担をかけ、市場の分断や世界経済の成長鈍化を招く懸念が高まっている。こうした動きは、シンガポールのような貿易に依存する中小国にとって懸念事項」とした上で、「志を同じくするパートナー国とともに、公正で開かれた貿易を支援する『FITパートナーシップ』を立ち上げた」と説明した。
発表日の16日には、FITパートナーシップの目的や優先事項などを定めた共同閣僚宣言も発出した(既出プレスリリース付属資料参照)。(1)サプライチェーン強靭(きょうじん)化、(2)投資の円滑化、(3)非関税障壁の撤廃と貿易円滑化などを優先事項に指定した。
MTIの発表(既出プレスリリース)によると、11月にシンガポールで開催される予定の第1回閣僚会合で具体的なイニシアチブを承認すべく、取り組みを進める。
9月16日に開催されたオンライン閣僚会議には、シンガポールからガン・キムヨン副首相兼貿易産業相や、WTOのンゴジ・オコンジョ=イウェアラ事務局長らが参加した。ガン副首相兼貿易産業相は「FITパートナーシップがイノベーションの触媒となり、それが多国間レベルにまで拡大され、WTOの強化につながることを期待している」と語った。
創設メンバー国の1つニュージーランド政府の発表によると、FITパートナーシップの立ち上げに関する協議は12カ月前に、ニュージーランド、シンガポール、アラブ首長国連邦(UAE)、スイスの4カ国(いずれも現創設メンバー国)で開始した。5月にスイスで開催した4カ国貿易相会議で合意に達した。
(注)シンガポール、ブルネイ、チリ、コスタリカ、アイスランド、リヒテンシュタイン、モロッコ、ニュージーランド、ノルウェー、パナマ、ルワンダ、スイス、アラブ首長国連邦(UAE)、ウルグアイ。FITパートナーシップの目的に関心を持ち、原則を支持するほかの国の参加も促す方針。
(朝倉啓介)
(シンガポール、ブルネイ、チリ、コスタリカ、アイスランド、リヒテンシュタイン、モロッコ、ニュージーランド、ノルウェー、パナマ、ルワンダ、スイス、アラブ首長国連邦、ウルグアイ)
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