ハリスコ州でイノベーション関連イベント「Innovation Fest」初開催

(メキシコ)

メキシコ発

2025年11月28日

メキシコ・ハリスコ州のイノベーション科学技術庁は11月20~21日の2日間、起業と技術革新をテーマとしたイベント「Innovation Fest外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます」を初開催した。本イベントの主要テーマは、教育・人材、イノベーション・起業、科学技術、クリエーティブ産業。主催者によると、大学生を中心に、起業家、企業経営者、投資家など計1万3,000人以上が参加した。会場には50のブースが設置され、ヒューレット・パッカード、オラクル、ボッシュ、アマゾン・ウェブ・サービス(AWS)などの多国籍企業に加え、グアダラハラ大学、モンテレイ工科大学、パンアメリカン大学などの教育機関や、連邦政府や州政府の行政機関、メキシコプライベートエクイティ協会(AMEXCAP)などの業界団体も出展した。

20日の開会式に登壇したパブロ・レムス・ナバロ州知事は、同州が以前から科学技術開発に注力してきたことを強調した上で、「われわれは単なる製造拠点ではなく『頭脳労働力』の集積地だ」と語り、「ラテンアメリカのシリコンバレー」として、より高度なイノベーション創出を目指す姿勢を示した。また、マルコ・ガルサ・マリン経済成長・開発調整官は「過去5年間で、メキシコで起業された企業の2割がハリスコ州で誕生している。また、2024年の州別特許出願数はメキシコでトップ」と述べ、同州の起業エコシステムの勢いを強調した。

21日には、日本との連携をテーマとしたパネルディスカッションも開催された。同州のシンディ・ブランコ経済開発長官がモデレーターを務め、大塚ニュートラシューティカルメキシコの金田充弘社長、国際協力機構(JICA)メキシコのアレハンドロ・リオス氏、ジェトロ・メキシコ事務所の深澤竜太貿易促進ダイレクターが登壇し、メキシコのスタートアップに向けた日本市場の魅力や日本企業との連携可能性について議論を交わした。

写真 「Innovation Fest 2025」のメインステージ(ジェトロ撮影)

「Innovation Fest 2025」のメインステージ(ジェトロ撮影)

写真 日本との連携をテーマとしたパネルディスカッションの様子(ジェトロ撮影)

日本との連携をテーマとしたパネルディスカッションの様子(ジェトロ撮影)

グアダラハラを州都とするハリスコ州は人口約830万を抱え、メキシコシティ首都圏、モンテレイ都市圏に次ぐ国内第3の経済圏・都市圏を形成している。テキーラの原産地としても有名だが、インテルなどのグローバルIT企業や半導体関連企業の集積地でもある。2025年6月にメキシコ競争力研究所(IMCO)が発表した州別競争力指数では、同州は「イノベーション・経済」の分野でメキシコ市に次いで2位だった(2025年6月13日記事参照)。

(ネイサ・クリオージョ、深澤竜太)

(メキシコ)

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