APECでエブラル経済相が各国首脳・閣僚と会談、メキシコは2028年の議長国に決定

(メキシコ、米国、日本)

メキシコ発

2025年11月06日

メキシコのマルセロ・エブラル経済相は、10月30日~11月1日に韓国・慶州で開催されたアジア太平洋経済協力(APEC)首脳会議(2025年11月5日記事参照)および閣僚会議に、クラウディア・シェインバウム大統領の代理として出席した。会議閉幕後、参加21カ国・地域の満場一致で、2028年のAPEC開催国としてメキシコが決定したと発表され、エブラル経済相は「メキシコが米州とアジアの架け橋になることができる」と重要性を強調した。

首脳会合に先立つ10月29日には、米国のジェミソン・グリア米国通商代表部(USTR)代表およびハワード・ラトニック商務長官と会合し、エブラル経済相は「今後数週間、〔米国・メキシコ・カナダ協定(USMCA)見直しに向けて〕どのように協議を進めていくか良い話し合いができた」と述べ、近日中に米国ワシントンで再度会合を持つ可能性について言及した。日本の赤澤亮正経済産業相とも会談し、USMCAに関するメキシコでの協議状況について最新情報を提供するとともに、同協定継続に対する自信を表明した。

さらに、10月30日のAPEC閣僚会議では、シェインバウム政権の主要経済成長戦略である「プラン・メキシコ」を各国政府代表に説明した。今後5年間のメキシコの重要政策として、人工知能(AI)やデータセンター誘致を含む「デジタル化の推進」を挙げ、各国からメキシコへの投資を呼びかけた。

会議期間中、日本の高市早苗首相には、日本初の女性首相就任に対するシェインバウム大統領およびメキシコ国民からの祝意を伝えた。その他、中国、カナダおよび韓国の各首脳、シンガポール、インドネシア、ベトナム、オーストラリアおよびニュージーランドの閣僚らとも会談し、2国間の経済関係強化や「プラン・メキシコ」への協力について協議した。

(深澤竜太)

(メキシコ、米国、日本)

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