シャオミ、BNPパリバ、フォルクスワーゲンの合弁企業、保険業許可を取得

(中国、ドイツ、フランス)

北京発

2025年11月10日

中国のスマートフォン大手の小米(シャオミ)傘下の四川銀米科技と、フランスの金融グループBNPパリバの保険子会社BNPパリバ・カーディフ、ドイツ自動車大手フォルクスワーゲン(VW)傘下の金融サービス部門の共同出資による損害保険会社「北京法巴天星財産保険」が10月24日、北京市金融監督管理局から保険業許可証を取得した。同社は、中国の新興電気自動車(EV)メーカー、外資金融機関、外資自動車メーカーが共同出資するかたちで、自動車保険事業を展開する。

同社は、2024年10月17日に国家金融監督管理総局に設立が承認され、1年間の準備を経て、今回、保険業許可証を取得した。業務内容は自動車交通事故責任強制保険や自動車商業保険を含む自動車保険や、企業・家庭財産保険、工事保険などが含まれている。

シャオミは2021年3月30日にスマートEV事業への進出を正式に発表し、9月にEV事業を手掛ける完全子会社の小米汽車を設立した(2021年12月8日記事参照)。2024年3月に同社初のEV「SU7」を発売し、現在までの累計販売台数は約40万台となった(注)。中央財経大学の劉春生副教授は「シャオミの保険業進出は、保険と自動車販売、アフターサービスと保険を連携させ、包括的な自動車エコシステムを構築することで、事業の相乗効果を実現させ、新たな収益機会を創出する」とコメントした(「北京商報」2024年11月6日)。

BNPパリバ・カーディフは全世界30カ国以上に拠点を設置している。2014年には中荷人寿保険の株式50%を取得し、中国の生命保険市場に参入していた。今回の損害保険会社「法巴天星保険」の設立により、同社は中国において損害保険と生命保険の両事業を手掛けることになる(「財聯社」10月24日)。

金融分野における対外開放の進展に伴い、2024年以降、海外の大手保険会社による中国保険市場への投資が活発化している。スペインのマフレ再保険は2024年7月に北京支店を設立し、財産保険・生命保険などの再保険業務を展開している。また、米国のプルデンシャル・ファイナンシャルは、保険資産運用会社の設立が承認され、2025年9月に北京で開業した。

(注)シャオミの創業者で会長兼最高経営責任者(CEO)の雷軍氏が10月16日に開催された「2025年世界スマートコネクテッドカー大会」で言及した。前払いによる未引き渡し分と、分割払いによる引き渡し済み分が含まれている。

(張敏)

(中国、ドイツ、フランス)

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