ジェトロ、サン・セバスチャンで北海道産食材をPR
(スペイン、日本)
マドリード発
2025年11月04日
ジェトロは10月21日と22日、レストラン格付け誌「ミシュランガイド」で星を獲得したレストランが数多く集まる世界屈指の美食都市、スペインのサン・セバスチャンにおいて、HAZI財団(バスク州政府付属の農水産・食文化振興機関)の協力を得て、北海道産食材(昆布、ホタテ、日本酒、ワイン)のプロモーションを実施した。
21日には、料理学の教育研究施設であるバスク・カリナリー・センター(BCC)において、ルレ・エ・シャトー(注)に加盟する石川県金沢市の「日本料理 銭屋」の高木慎一朗氏を講師に迎え、BCCの学生を対象とした昆布だし講座を開催した(2025年10月27日記事参照)。講座では、主な北海道産昆布の種類や栄養価などについて解説するとともに、だしの取り方を硬水・軟水の違いを踏まえながら実演し、真昆布、利尻昆布、羅臼昆布、日高昆布、かつお節と真昆布の一番だしの5種類のだしをテイスティングとして提供した。参加した学生からは「とても興味深い講座で、将来、食材として取り扱う可能性を感じた」とのコメントや、講師に対しては「日本で過去30年間に昆布の使い方に変化はあったか」「かつお節を加えた際の一番だしと二番だしにはどのような違いがあるのか」など、多くの質問が寄せられた。
22日は、シェフをはじめとする料理関係者を対象に、北海道産食材を使用したメニューの試食会を開催した。試食会では、バスク州で飲食ビジネスの立ち上げ支援や教育を行う「AZガストロノミア」の主宰者で、シェフとしての経験も豊富なアイツォル・スガスティ氏が、2025年7月の北海道訪問時に昆布の養殖現場など食材の産地を視察した体験を参加者に紹介。参加者は、スガスティ氏と高木氏らが手掛けた9種類の料理とともに、北海道産ワイン、日本酒とのペアリングを楽しんだ。参加者からは、「日本の食材にはもともと良い印象を持っていたが、新たに試した食材がその印象をさらに強めてくれた」「昆布の多様な種類と使い方について理解が深まった」「ホタテの風味と食感は素晴らしく、非常に優れた食材だ」「試食した食材を実際の料理に取り入れてみたい」「和食とバスク料理の融合が素晴らしかった」など、北海道食材の可能性に対する前向きなコメントが多数寄せられた。
BCCでの昆布だし講座の様子(ジェトロ撮影)
試食会の様子(ジェトロ撮影)
(注)1954年にフランスで設立された高級ホテルとレストランの協会で、現在では65カ国に会員を擁し、独立経営の高級宿泊施設やレストランが加盟しているのが特徴。
(岩井澪佳、堀之内貴治)
(スペイン、日本)
ビジネス短信 a8644c73856fb81b




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