2035年までの温室効果ガス排出量削減目標、2018年比53~61%削減に決定
(韓国)
ソウル発
2025年11月13日
韓国の気候エネルギー環境部(注1)は11月11日の国務会議で、2035年国家温室効果ガス(GHG)削減目標(NDC、注2)が議決されたと発表した。
今回のNDCでは、2018年の純排出量に対し、2035年に53%から61%削減することを決めた(注3)。現行の「2030年までに40%削減」という目標から大幅に上方修正したかたちだ(2021年10月27日記事参照)。
2035年のNDCを達成するため、主要部門で次のような方向性と削減目標で取り組むこととしている(かっこ内の数値は2018年比の削減目標)。
- 電力部門:再生可能エネルギーの普及拡大(68.8~75.3%)
- 産業部門:革新的支援に基づく燃料・原料の脱炭素化と低炭素製品の生産拡大(24.3~31.0%)
- 建築部門:ゼロエネルギー建築とグリーンリモデリングの拡大と熱供給の電化(53.6~56.2%)
- 輸送部門:電気自動車(EV)、燃料電池自動車(FCV)の普及(60.2~62.8%)
政府は、この2035年NDCを11月10日から21日までブラジル・ベレンで開催されている国連気候変動枠組み条約第30回締約国会議(COP30)で公式発表し、2025年中に国連に提出する予定としている。
金星煥(キム・ソンファン)気候エネルギー環境部長官は「今回の2035年NDCの策定により、気候危機対応を新たなグリーン産業育成の機会として活用し、脱炭素グリーン文明の先導国家として生まれ変わる」と強調した。
一方、「中央日報」(11月12日付)は「今回のNDCが確定し、産業界の懸念が大きくなっている」として、特に「大規模な構造調整を控えた石油化学業界は、生き残り自体が厳しい状況で、炭素削減は無理」「目標に比べて現実的履行手段が不十分で、政府支援が必要という声は鉄鋼、自動車、セメントなど他の産業からも出ている」と、産業界の受け止め方を報じた。
(注1)気候エネルギー環境部は、政府組織法の一部改正によって10月1日に発足した政府機関で、旧産業通商資源部(現産業通商部)が担っていたエネルギー関連業務を旧環境部に移行するかたちで発足した(2025年10月14日記事参照)。
(注2)GHG削減目標は、2015年のパリ協定に基づいて5年ごとに各国が自ら削減水準を定め、国連に提出する国際的約束で、2025年末までに「2035国家温室効果ガス削減目標」を提出しなければならない。
(注3)2018年の総純排出量は7億4,230万トンCO2eq〔CO2eqはGHGの影響力を二酸化炭素(CO2)に換算した数値〕で、53%削減した場合は3億4,890万トンCO2eq、61%削減した場合は2億8,950万トンCO2eqと試算されている。
(橋爪直輝)
(韓国)
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